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宅地の地盤調査の調査方法について。

【地盤塾 千葉由美子様の投稿内容です】

 

SWS試験では何も分からないという声を聞きます。何も分からないというのは極端過ぎます。過剰に不安を煽るような発言が気になったので、宅地の調査方法について書くことにしました。

 

 

・SWSは何も分からないと思っている方

・新しい試験を採用しようと思っている方

 

は、ぜひ最後までお読み下さい。新しい試験方法を採用する際の注意点も書いています。

 

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何も分からないなら、私は14年間で七万件を見てきて事故ゼロにはならなかっただろうし、10年間で事故を起こさない地盤会社や、10万件で事故が2件という地盤保険会社も存在しなかったはず。

 

これらの実績はどう評価してもらっているのでしょうか。無駄に不安を煽るような発言をしていま、真面目に事故を起こさないように仕事をしている地盤会社や保険会社に失礼です。その一方で、補強工事をしても事故を繰り返す地盤会社や、10万件で約70件(自己申告)の事故を起こす地盤保証会社(便宜上こう呼ぶ)がいます。また、私が地盤会社にいた時に、同業他社の役員の方が私の上司へ「貴社はどれくらいの割合で事故を起こすのですか?」と訊ねられたこともありました。

 

逆に、なぜ御社は事故が続く理由を解明しないのですか?と問いたい。(その頃は平社員だったので無理でした)

 

事故を完全に無くすことはできません。しかし、真面目な会社はミスや事故を起こした時に必ず原因を探して改善策を立てて対策しています。どんな業種でも当たり前のことではないんですかね。

 

SWSは確かに土を見られず、不攪乱試料を取ることが出来ないので圧密試験もできません。ですが、貫入抵抗値は取れます。それはボーリングのN値と相関性があるとされています。ですから、地形とその地域の土の特性を知っていれば妥当な値か、おかしな値かの判断が出来ます。おかしければ、数値のばらつき、構造物の有無、敷地の履歴と掘り返しの有無などを徹底的に調べて確認します。必要なら造成図など追加資料を発注者へ要求し、直接基礎でよいかどうかを判断します。

 

あと、SWS試験に追加でハンドオーガーボーリングやサンプラーで土を取って目視することも出来ます。何も分からないと言う判定者や、事故を起こす前提の会社は、地形も土も知らないとしか思えません。それで本当に技術者なんでしょうか。

 

で、SWS試験の代わりに何をするか。お金を出してもらえるなら、いろんな試験をして判定すればいいと思う。

 

たとえば、平坦部なら

・配置中央で標準貫入試験

・四隅でSWS

 

傾斜地なら

・配置の山側と谷側で標準貫入試験

・配置上のほかの2隅と中央でSWS

 

 

ちゃんとやる会社は30万くらいかかると思います。ボーリングするだけでなく、試料採取をして室内試験をやり、報告書作成もSWSよりはるかに手間がかかります。深度が10mを越える時は1m毎に追加料金がかかります。あと、サンプリングした試料はケースに入れて発注者へお送りします。

 

 

圧密試験(不攪乱採取が必要)や原位置試験をやるならまた追加料金がかかるし、液状化の危険が高いエリアなら液状化詳細判定もつけたい。また更に20万から30万です。しかも1ヶ所で。100万くらいかかりそうです。それらをやってもいいけど、

 

事故を起こさない判定で、

・SWS

・土の採取・柱状図作成

・電極水位測定

で、10万くらいです。

 

 

液状化判定をしたいなら、三成分コーン貫入試験で15万から20万くらい。補強工事のために支持層確認をしたいなら、ラムサウンディングで10万前後。どちらも必要な地形や地盤で追加すればいいだけです。(上記の料金は相場を考慮した私の意見です。金額については地盤会社さんへ問い合わせて欲しいです)

 

 

あと、これが一番言いたいことですが、「SWSの代わりに新しい試験方法」を採用しようと思っているなら、以下の二点に気をつけて下さい。

 

実績があること

データの信頼性があること

 

 

①の実績は、判定数だけでなく事故を起こしていないという実績も必要です。

私は数が多い方が安心なので一万件以上欲しいですが、「新しい試験方法を広めたい売りたい人達」がいるでしょうから、まあ1000件あって事故ゼロなら採用してみてもいいのではないでしょうか。

 

②データの信頼性は、数をこなせば自ずと見えてきます。今までも、最初は画期的と思われた試験方法で事故が多くて判定方法を変えざるを得なくなったものがあります。

 

調査員のスキル次第で出てくる数値に大きな違いが出てくる試験機もあります。実際、それが理由で沈下事故が起きています。それらの証明のために、また今回もお施主様のお宅で実験を繰り返すつもりですか?

 

信頼性の証明は、どこかで実験を繰り返すか、論文が認められたら採用してもいいのではないでしょうか。繰り返しですが、くれぐれもお客様の土地と建物を新しい試験方法の実験場所として提供しないで欲しいと思っています。お施主様が好意で同意したとしても、事故が起きたら許せないのではないでしょうか。

 

 

 

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新しい試験方法に厳し過ぎるでしょうか。

 

 

私は、

「現実的な金額で事故を起こさない調査方法」でやりたいだけです。

 

そして、今現在、その方法があるのでそれでやるだけです。新しい試験方法の信頼性が確認でき、内容が遜色なくて現実的な金額ならその時に採用します。そもそも、事故の原因解明や改善策を講じず、諸悪の根源を試験に押し付けるような人や地盤会社は、新しいものを取り入れてもまた同じことの繰り返しだと思います。

 

【地盤塾 千葉由美子様の投稿内容です】