新築住宅販売?建てる?買う? どちらを選ぶ? その前に
新築住宅と言っても分譲住宅を買う場合と建てる場合ではそれぞれに心構えが少し違います。
今回は新築住宅の中でも≪注文住宅≫を建てる場合で知っておいて損のない話を
書きたいと思います。
どこの業者も教えてくれない6つのポイント
それでは始めていきましょう。
★家を建てる前に計画を立てる
最初に、家を建てる前に計画を立てる事から始めましょう。はじめが肝心です。計画が立てば半分は成功したも同然ですから、しっかり頭に描いてください。
・家を建てる計画を立てる
家を建てるまでの流れについては、下記の項目を目安に考えてください。家を建てるためには多くのことを考えて計画的に進める必要があります。
- 家を建てる計画を立てる
- 建築方法・コンセプト・住み方等を決める
- お金について考える
- 土地が無い場合は土地を探す
- 建築業者を選ぶ・決める
- 家の建築工事を行う
- すべての工事が終わったら入居して完了
・家を建てる計画の立て方
家を建てる事を決めても、それだけではうまく進めることができません。まずは、入居希望時期や完成予定時期を決めましょう。そこから逆算していけば、いつまでに何をすべきかが見えてきます。あまりタイト過ぎる計画にならないように、多少余裕を見ておく事が大切です。特に入学前には絶対入居したいなどの場合は綿密な計画を立てる必要があります。急いては事をし存じます。
・家を建てるまでの流れにかんする注意点
最初に建てた計画通りにいく事は、稀といっても良いかも知れません。長い道のりです、途中突発的な問題が発生することがあります。その問題が発生した時、担当者と相談しながら進めていく事が大切です。
その都度対応し、必要に応じて計画の修正を行いましょう。
不安や疑問があるときはあなた様一人で抱え込まずに、担当者に相談しましょう。
また、実際に家を建てる段階になっても、天候や自然災害等によって工事工程がずれたり、さまざまな要因で工期が遅れる事があります。最終的に理想の家が建てばいいのです。無駄に焦ったりしないようにしましょう。
★家を知ろう
どんな家を建てたいのか、具体的に考えていきましょう。建築方法のメリット・デメリットやコンセプト・住み方や間取りなど、ひとつずつクリアにしましょう。
・建築方法を知ろう
家と言っても色々な建築方法があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを代表的な建築工法を知ることから始めましょう。
・木造
昔からの工法で、柱・梁(はり)・筋交(すじかい)等の骨組みを木で造る。木のぬくもりや風合いを求める人に大人気です。設計の自由度が高く、思いどおりの家を実現しやすい工法と言えます。また価格も他の工法に比べるとお値打ちと言えます。
- メリット:設計の自由度が高い・木のぬくもりや風合いを感じる
- デメリット:しろありが気になる
・RC造(鉄筋コンクリート造)
RC造とは、鉄筋コンクリート造のことで丈夫で地震などの災害に強い建築物を造ることができます。公共の建築物の多くがこの工法と言っても良いかも知れません。耐用年数も木造建築と比べて長く、資産価値を重視する人からも評価が高いことが特徴です。
- メリット:災害に強い(耐火性・耐久性がある)・遮音性に優れる
- デメリット:費用が高い・工期が長くかかる
・S造(鉄骨造)
S造(鉄骨造)は柱や梁などに鉄骨を使用しています。特徴はRC造に比べると建物自体が軽くなり、工期が短く、主に 体育館や工場など大空間に使用されます。
- メリット:設計の自由度が高い・大空間がとりやすい
- デメリット:断熱をしっかりしなければ「夏は暑く、冬は寒い家」になる。
・2×4(ツーバイフォー)
2×4(ツーバイフォー)とは、2インチ×4インチの木材を中心に、枠組み材・石こうボード・構造用合板を釘(くぎ)で打ち付けて建築する方法です。材料の規格が統一されているので、安定した品質の住宅を作りやすいことが特徴ですが、釘の打ち方をしっかり守らないといけません。
- メリット:耐震性に優れる・工期が早い
- デメリット:間取りの変更が困難・施工できる業者が少ない
・コンセプトを決める
家のコンセプトを決めることも重要です。実際に家を建てるときにはコンセプトが明確かどうかがで大きな差を生みます。
たとえば、「洋風で庭に出る為の大きな窓のある家」「和風の重厚さがあり、落ち着く家」「吹き抜けのある明るい家で寒くないつくりの家」など理想の家があるはずです。
どんな家にするか、本屋さんでの雑誌を買ったり、住宅展示場廻ったり、今の時代でしたらinstagram(インスタ)を参考にしたりして多くの実例をまず見て自分の引出しとイメージを固めていきましょう。
・住まい方を考える
家を建て、住み始めた時の事を想像してみてください。
どんな住まい方を想像していますか?ご両親と同居予定ですか?それでしたら間取りやコンセプトが核家族の方が求める家とは全く異なりますし、2世帯住宅としての機能が求められます。また、老後の住みやすさを考えれば2階建てよりも平屋の方が都合が良い事もあります。
今の時代エコ思考も人気で電気代から住宅性能や仕様を考える方も増えてきました。
家づくりにはこれが 『正解』・『100点』というものは無く、自分たちのライフスタイルや資金プランに合う家が正解であり100点なのです。
昔から個性を尊重する言葉で ≪十人十色≫ という言葉がありますが、建築においては、
≪住人十色≫ とも言います。
・間取りを考える
間取りは、自由でいいです。既成概念にとらわれる事はありません。
和室が無ければ。。。とか、LDKは○○畳必要と友達が言っていたしな~とか、一切必要ありません。友達の意見は家づくりの先輩としては有難いですが、友達とは家族構成も価値観も違うはずです。無視はできませんが、マッサラな気持ちで必要な部屋の種類と数を考えてみましょう。そうあなたの大切な奥様や旦那様といっぱいお話をしましょう。
家族の人数だけでなく、それぞれのライフスタイルや趣味を反映した間取りにすることが出来れば、ほぼ出来たも同然です。
また、動線もよく考えておきましょう。キッチン・ダイニング・リビングの流れやバスルーム・洗面所・トイレの位置など、いろいろな行動パターンを検討してみてください。
家相をお気になさる方はこの時点で見てもらうと二度手間三度手間にならずに家づくりを計画的に進めやすくなります。
・その他のこと
やっとここまで選択と決定の繰り返しで進む事ができましたが、ここまで来ても何らかの理由で迷いが生じることがあります。
そう、人間ですから仕方ありません。≪損はしたくない≫・≪失敗したくない≫と思えば思うほど迷います。
そんな時は、じっくりあなた様の気持ちに正直に考えて(他の事を考えても良いです)結論を出してください。
今まで決めてきた事は・必要なものなのか?欲しいものなのか?をここで一度、自問自答すると良いかも知れません。欲しいものは私にもありますが、それってまあまあぜいたく品で、必要ではない場合が大半です。その中で最も譲(ゆず)れない部分はこれ!と決め、その他の部分で気になる点を洗い出しましょう。
一つずつ迷いを無くす事(これは自分達には必要なんだ!と言い切れればそれはあなた様にとって必要なものになります)で、最終的なプランが固まります。それでも迷う、そんな時は担当者の経験や実例からくるアドバイスに耳を傾ける事をお勧めします。
★お金について
家を建てる時、お金の事から目をそむけてはいけません。逆に言えばお金の事がしっかり理解できればストレスなく家づくりが出来ます。ほとんどの担当者はここをうやむやに(もしくは知らない)しがちです。
なぜならばお金の話をする=悪・スマートでは無いというようなお考えをお持ちの担当者さんもいて困ります。もっというと自分達が関わる分野だけの話をし、その他に必要となる費用は少なくお伝えしがちです。
なぜならば総額が高く感じられてしまうと家づくりそのものを諦められてしまうかもしれないという担当者さんの恐怖心なのかもしれません。ここはひとつ目をそむけずに真正面からかかる総額費用(仮想敵)の事がわかればじっくり対策が練れます。お金についてじっくり考えましょう。
・家を建て住み始めるまでに必要なお金=総額
家を建て、住み始めるまでには、様々なお金が様々なタイミングで必要となります。一気にご紹介したいと思います。ここの部分の項目を切り取り、後は金額を入れれば資金計画ができるといっても過言ではありません。
・建てる前の費用
家を建てる為には土地が必要です。親御さんの土地があり、そこを建築地とする方は、うらやましい限りです。そうでない方は土地代がかかります。
:土地代金
(購入する土地の代金です建物以外にもっとも多くの費用が掛かります)
:土地仲介手数料
(不動産屋さんに支払う手数料です)
:不動産取得税
(不動産を取得したときにかかります)
:登記費用
(所有権移転・抵当権設定費用)
:印紙代
(金融機関の金消契約・土地契約書への貼付)
:固定資産税清算金
(固定資産税の日割り清算金です)
:各種分担金
(転用決済金・水道権利関係・下水受益者負担金など)
:ローン取扱借入手数料
(金融機関への手数料です)
:ローン保証料
(借入するための保証料です。先払いと後払いの2種類あり)
:団体信用生命保険
(場合により必要)
・建てる為の費用(建築費用)
建築費と言えばこの項目の事だけを想像しがちですが、ここだけでも細かく言うとこれだけあります。
:建築費
(場合により地盤改良費用が必要)
:印紙代
(金融機関の金消契約・請負契約書への貼付)
:上下水道負担金
(権利金の様なものです)
:ガス引込費用
(ガスをお使いの場合)
:ローン取扱借入手数料
(金融機関への手数料です)
:ローン保証料
(借入するための保証料です。先払いと後払いの2種類あり)
:火災保険費用
(火災保険と地震保険 補償内容によります)
:登記費用
(表示登記・所有権保存登記・抵当権設定登記)
:設計費
・雑費
:地鎮祭費用
:上棟式費用
:引越し代
:家具家電購入費
(ソファ・テーブル・照明・インテリア小物など)
:仮住まい費用
(建て替えの場合)
:町内会費・自治会費
:その他手間
(新住所地での郵便局や運転免許証・銀行への住所変更手続き等)
・建てた後の費用
・メンテナンス費用
(安いものには訳があります。最初は高価なものでも結果お値打ちとなるものはあります。)
・予算について
予算は、多ければ多い方が理想の家を建てやすくなるのは事実ですが、それだけでは満足のいく家が建てれるとは限りません。
やっぱりコンセプトや住まい方がしっかりないと高価なものを寄せ集めたハリボテになりかねません。せっかく数千万円というお金をかけるのですからそんな失敗はしたくありません。限られた予算の中で納得のいく家づくりをしたいものです。
世帯収入や貯蓄額・資産額を考えて予算を設定してください。無理をして見栄を張る必要は全くありません。
特に住宅ローンを利用する場合は、途中で返済ができなくなると、家を手放す事態になる事もあります。自分たちが支払うことができる金額以上の予算を設定しないようにしましょう。
家づくりは友達や近隣の方との見栄の張り合いではありません。
・家を建てる為のお金にかんする注意点
家を建てる為に貯めてきたお金です。子供の習い事も少しだけ我慢させたり、少しだけ外食を減らしたりしながら一生懸命貯めてきたお金です。
これから幾ら必要になるかわからないし、家族に万一があった時に手元に一円もないのは不安です。
でも、できるだけ貯金を家づくりのために使い、金融機関からの借入額を減らしたほうが借入れを終えた時の総支払額(借入期間中の利息額を含む)に圧倒的に違いが出ます。
無理のない範囲で貯金を家のために使い、できるだけ借入額を減らしましょう。わかっていてもなかなかできませんが、、、なるべく貯金を使いましょうというその理屈は、金利の高い金融機関から借り入れをし、金利の低い金融機関に預け入れをしているという事です。わざわざ金利の高い金融機関から借入れるのは本末転倒です。
また、身内から援助を受けることができればありがたく受ければいいのです。できるかぎり自己資金は用意したほうが良さそうです。
★土地について
家を建てるときには、どこの土地を選ぶかも重要なポイントです。選び方のコツや注意点に関して学びましょう。
・土地の価格なんて何通りもある
土地の価格は、さまざまな評価形式があります。主なものについては、以下をご覧ください。実際に取得するときには、実勢価格での取引きとなります。
- 実勢価格:実際に土地の売買が行われるときの価格
- 公示地価:毎年1月1日に国土交通省が定める価格
- 路線価:相続税や贈与税の算定基準となる価格
- 固定資産税評価額:固定資産税・都市計画税・登録免許税などの算定基準となる価格
・土地を選ぶ目線
家を建てるために土地を選ぶには、色々な条件をよく考えてください。
一概に南道路が良いとは限りません。また、最悪は売ればよいのです。その為にも資産価値が高いほうがお勧めです。
- 通勤・通学に不便はないか
(極端に時間がかからないか・渋滞は無いか)
- 交通は便利か
(電車・地下鉄・バスなどの公共交通機関など)
- 治安はどうか
(暗い道は無いか・街灯はある?犯罪多発地域ではないか)
- 住環境は整っているか
(商業施設・銀行や郵便局・公園・病院などの有無)
- 日当たりや水はけはどうか
(昼間に日光を遮るような高層ビルが無いか・水はけが悪いことは無いか・騒音はないか・悪臭はしないか)
- 浸水地域ではないか
(過去に浸水があったか否か、あった場合対策済みか)
この他にも、個人的に気になるポイントがあればチェックしておきましょう。
・土地を選ぶときの注意点
土地が安いことだけを理由に決めてしまうことは、おすすめしません。安いものには必ず訳があります。現地に何度も足を運び、周辺環境をチェックしてください。
できれば近隣住民さんにお話を聞くことをお勧めします。住宅地として人気が高い土地であっても、条件によってはナニコレ?と言う事もあります。
また、朝と晩など異なる時間帯や平日と休日に歩いてみることもお勧めします。その土地環境の表情が違います。
これからずっと暮らす事になる土地です、土地価格だけで判断せずに焦らず見極めてください。
万一検討期間中に他の方に買われてしまったら、自分達には縁がなかったと、きっぱり忘れましょう。必ず良い土地に巡り合います。
今まで何度もそのようなお客様を見てきました。大丈夫です。
★建築業者について
家を建てる場合、建築業者に依頼します。建築業者と言っても企業規模や種類の違いにより、色々あります。一般論ですがメリット・デメリットも書いておきます。
・建築業者の違い
建築業者は、種類によって役割が異なります。主なものについて解説します。
・ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、住宅建設を行う会社のことで、自社工場で家の部品を大量生産や下請け工場に大量発注し、現場で組み立てる方法で家を組み立てます。ハウスメーカーは、住宅展示場などでモデルハウスを持ち、余りある資金力で広告宣伝をし、家を建てたい人に多く営業活動を行うことが特徴です。実際には、下請けとして地域の工務店に発注する事も多く見受けられます。
- メリット:ブランドイメージが良い・工期が短い
- デメリット:オリジナル性を追求できない・対応が事務的な事がある。部署をたらいまわしにされる事も。
・工務店
工務店は、地域に根差した建築業者です。ハウスメーカーや建築家から依頼を受け仕事を受注し、実際に家の施工(せこう)をします。現場で仕事する事になるのは工務店で、家を建てる事に関して最も身近に感じる事ができるのが特徴です。
- メリット:家を建てるときに総合的に頼りになる・小回りが利きやすい。
- デメリット:業者によって技術力に大きな差がある。
・不動産業者
不動産業者は、土地・建物を扱う業者です。そのため、家を建てる為の、土地に関連することになります。土地を探す必要がある場合は、不動産業者に探し求める理想の条件を伝えて探してもらいましょう。
- メリット:土地を探してもらえる・仮住まい先を探してもらえる
- デメリット:住宅建築は扱っていない・建築には興味がない会社が多い?
・建築家
一級建築士もしくは二級建築士の設計士・資格保持者が、設計事務所を立ち上げている場合、建築家を名乗ることがあります。家のデザインで個性を出したいときは、建築家に依頼すると思いどおりの家を提案してくれるでしょう。一件一件設計するので、費用は多くかかることが一般的です。
- メリット:オリジナルを追求できる・センスのいい家が期待できる。
- デメリット:費用が高くなる傾向がある・工期が長くなる傾向がある。
・建築業者選びのポイント
建設業者を選ぶときには、以下のポイントを重視しましょう。
- 建築で豊富な実績がある。
- 会社のウリが明確である。
- 建築費用を相談できるかどうか。
- 希望の工期にできるだけ合わせてくれる、努力してくれる。
- 説明に根拠がありデータで示してくれる。
・・建築業者選定に関する注意点
建築業者の中には、契約を取ることや契約金額を少しでも高くしたい為だけの提案をする場合があると聞きます。それは業者都合で、あなた様の事を思った行為ではありません。
依頼者の意見に耳を傾けず、傾けたふりをして自社の都合のいいものばかりを進めてくる営業マンや会社には注意しましょう。
家族の一生を左右する事です。ご家族の事を一緒に考えて、アドバイスをくれる建築業者を探しましょう。
建築業者を選ぶ時には、良さそうな(自分に合う価値観の会社)を数社候補に挙げ、徐々に絞っていくといいでしょう。その中で、最も信頼できる業者に依頼する事が良い家づくりができる為のカギとなります。
★家を建てるのに適した年齢
自分の理想の家を建てることは何歳からでも可能です。年齢を重ねると、住宅ローンを短い期間で返済していくことになります。若いうちに建てたほうが毎月の返済が楽かもしれません。
ただし、それぞれのタイミングがありますので特に気にする事はありません。年齢を重ねれば重ねただけの知識と経験が増し、失敗する可能性は減るとも考えられますから。ただし定年前には借入を完済したいですね。
おわりに
今回は、家を建てたい人のための心の準備として知っておいてほしい内容を詳しく解説しました。
家を建てる準備には、さまざまなものがあります。どんな家にしたいかだけでなく、建築方法や土地・建築業者選定などについてもきちんと知る事が大切です。
まずは、記事を何度も読んで基本を身に付けましょう。
すべき事をひとつずつクリアしてください。
何事も、焦りは禁物です。
何十年も住み続ける家です、少しでも不安があるようでしたら担当者に何度も聞いてみてください。
信頼できる担当者に相談しながら、理想の家を建てるべく、がんばってくださいね。