珪藻土クロスはサンゲツ?
珪藻土クロスと珪藻土の比較
珪藻土クロスと珪藻土の長所・短所
この記事のもくじ
住宅を建てるときに考えるべきポイントの一つに内装仕上げがあります。その内装仕上げにも種類が豊富にありますが、今日は壁紙についてです。壁紙とはクロスと呼ばれ、紙やビニール素材で出来ているものを一般的には言います。そのクロスの中に珪藻土クロスというものがあり、お部屋の内装仕上げを珪藻土にすることで消臭機能や湿度の調整機能(調湿)があり、日々の生活を快適に過ごせたりします。
【珪藻土】を壁に塗る事で、調湿効果や消臭効果が期待できるというメリットもありますが、費用が高くなってしまう傾向があり、採用するハードルが高いのが珪藻土のデメリットです。今では珪藻土のメリットをなるべくお値打ちに組み込みたい人のために【珪藻土クロス】というものも選べるようになっています。
珪藻土に比べ、コストが安くなるのが珪藻土クロスのメリットですが、珪藻土と比較すると欠点があるのも事実です。珪藻土と珪藻土クロスの比較や欠点について解説します。
内装仕上げ・クロス選びを失敗しないために、それぞれの違いを詳しく見ておきましょう。
珪藻土クロスとは?
珪藻土クロスとは簡単に言うと、珪藻土を紙に吹き付けた壁紙・クロスです。珪藻土を壁に直接塗らないので、手間がかからず導入する費用が比較的安くなります。お部屋のカビや結露を防ぐ調湿効果を持っているのがポイントです。
壁紙に含まれた珪藻土により嫌なにおいを消臭してくれる点の、もう一つのメリットです。メーカーによっては、デザイン性を重視して珪藻土クロスを制作するところもあり、お部屋の質感をより良く演出してくれます。
珪藻土クロスは珪藻土とバインダー、紙で構成されているため、火災が発生してしまった時に有害物質発生を心配する必要は少ないです。ビニールクロスにはない味があるのも魅力の1つ。
あくまでも珪藻土で制作したクロスであるため、珪藻土ほど機能性が高くない特徴もあります。珪藻土クロスのデメリットは記事の後半に記載しているので、気になる方は合わせて見てください。
珪藻土とは?
湖や海で生息しているプランクトンが死滅して、底に溜まった蓄積物によって生まれたのが珪藻土です。珪藻が大昔から死滅して蓄積した土であり、ダイアトマイトとも呼ばれています。
吸放湿性が高いことや消臭効果があることが珪藻土の大きな特徴です。孔があることで通気性が高いから、珪藻土はお部屋の湿度を調整してくれたり有害物質を吸着して消臭したりしてくれます。
自然の素材で構成された珪藻土は手触りや肌触りが良く、落ち着きを重視した住宅や、自然素材を好む方の家に広く使われているのがポイント。昔は食料を備蓄する蔵にも珪藻土が使われていました。
壁に珪藻土を塗るには珪藻土クロスと比べて手間がかかり、費用が割高になってしまうのがデメリットです。住宅を建築する予算に余裕がない場合は、珪藻土クロスを選択するというのも良いと思います。
珪藻土クロスと珪藻土を比較してみた
珪藻土と珪藻土クロスを比較する主なポイントは以下の4つです。
・価格
・仕上がりの質感や風合い
・機能や効果
・施工の手間・期間
珪藻土 価格
室内の壁に珪藻土を塗る場合、平均単価は5,000円から8,000円の間となります。(多少の地域差はあります)住宅を建築する場所によって価格は変動して、大手の業者に頼むと10,000円を超える場合もあるのです。
珪藻土クロス 価格
珪藻土クロスを内装仕上げ材として採用する場合、平均単価は1,500円となります。珪藻土を壁に直接塗るには珪藻土クロスにかかる費用の4~6倍のコストがかかります。
質感や風合い
仕上がりの質感は珪藻土クロスのほうが珪藻土よりも質が落ちます。壁紙である珪藻土クロスは壁に貼ったときにつなぎ目が現れてしまったり、塗布厚の違い等から、珪藻土よりも見栄えが悪くなりがちです。機能や効果においても珪藻土のほうがメリットが多いです。紙に珪藻土を吹き付けたクロスでは消臭効果や調湿効果が限定的であり、通気性が落ちてしまいます。
施工の手間・期間
施工の手間が少ないのは珪藻土クロスです。1週間程度でクロスを貼れるのに対して、珪藻土を塗るには数週間から1ヵ月近くかかります。直接壁に塗る場合はどうしても工事期間が長くなるのですね。
珪藻土クロスのデメリット(欠点)
珪藻土が持つ本来の機能性が落ちる点が珪藻土クロスのデメリットです。珪藻土は紙に付着させるために接着剤やバインダーを混ぜています。土と接着剤が混ざった物を紙に吹きかけることで珪藻土クロスが作成されるのです。
問題は珪藻土に接着剤を混ぜているため、珪藻土の孔が塞がれてしまうこと。空気を通す孔が無くなってしまうと湿度を調整しにくくなり、珪藻土の消臭効果も薄れてしまいます。
珪藻土クロスは直接壁に珪藻土を塗っていないため、表面につなぎ目が現れてしまうのも欠点です。実際に珪藻土が塗られた壁と比べると、どうしても見栄えが悪くなってしまいます。
本物の珪藻土を使用した壁紙であるため、ビニールクロスと比べれば雰囲気は良いです。お部屋のデザイン性やコストパフォーマンスを重視する人には珪藻土クロスをお勧めします。
長年生活していると珪藻土クロスから珪藻土が落ちてくる場合もあるのです。デザイン性とコストパフォーマンスを重視していて、修繕の手間を気にしない人に珪藻土クロスを勧めます。
予算に余裕がある人は珪藻土クロスではなく、珪藻土の塗り壁を選ぶことがオススメです。
珪藻土のデメリット(欠点)
珪藻土で塗り壁を採用するには費用が高額になってしまい、施工期間が伸びてしまうことがデメリットです。依頼主が予定していた建築期間や予算を超えてしまう場合がありますので、事前に工期の確認はしておいた方が良いかもしれません。
食品加工でも、のろ過に使用されている程の珪藻土は安全性の問題が少なく、燃焼しなければ発がん性を持つこともありません。費用が高くて手間がかかるのが珪藻土のデメリットです。
珪藻土にカビが生えた?
湿気が多い部屋だと珪藻土にカビが生えてしまいます。湿気を乾燥させないまま放置すると調湿効果がある珪藻土でもカビは生えてしまうのです。
珪藻土を固めるために使われる中性の固化材もカビに弱いもの。もし壁の珪藻土や珪藻土クロスにカビが発生してしまった場合は、ハウスクリーニング業者などのプロに清掃を依頼することをお勧めします。
壁にカビを発生させないためには、家具を壁に着けないように配置する・普段からお部屋の換気に注意する等し、湿気がひどいときは扇風機やエアコンで室内の風を動かしたり、除湿することが重要です。珪藻土を導入する場合はカビを生やさないよう注意しましょう。
もし万一、カビやアクの様なものが出てきたら、アク止めを塗布し再度塗った方が良いです。
内装が珪藻土仕上げの既存住宅を購入した際など、表面だけ一時的にキレイにしてもアク止めをしていないと時間経過とともにアクが出てきてしまう恐れがありますのでご注意ください。
珪藻土クロスの調湿効果?
クロスに珪藻土を付着しているため通気性が低く、調湿効果が珪藻土を塗った壁よりも落ちてしまいます。調湿効果を求める方は珪藻土で壁を塗ることを検討しましょう。コスト重視で珪藻土クロスを採用すると、がっかりしてしまうかもしれません。
珪藻土クロスの評判は?
これは内装屋さんが言っていた事で個人的な見解の為 右から左でお願いします。
また、これはサンゲツさん一社特定の事ではありません。珪藻土クロス全般に言える事です。
「施工しにくい」 *業者都合じゃないのか?
「珪藻土クロスは正直、あまり魅力はないように思います。」
「調湿効果に過度の期待をしてはいけませんよ。」
「今の珪藻土クロスは質がいいよ」
「僕は好きだけど」
等々、やっぱり賛否両論です。
まとめ
珪藻土には
・湿度を調整する機能や消臭効果があります。
・自然の素材の為、工業製品では真似できない風合いがある。
・お部屋の雰囲気・質感が良くなる。
のメリットがある。
珪藻土クロスには
・機能性は落ちますがデザイン性に優れています。
・ビニールクロスと比べて自然な居心地を作れる。
・お値打ちに珪藻土に近い風合いが得られる。
のメリットがある。
予算や建築期間に余裕がない人は珪藻土クロスを、デザインだけでなく機能性も重視する人は珪藻土を選ぶと良いと思います。お部屋に求める優先順位から最適な素材を選択しましょう。
珪藻土の塗り壁には厚みがあるため、調湿効果があることや汚れた部分を削って補修できることがメリットです。しかし珪藻土クロスでは厚みがなくて珪藻土のメリットが少なくなります。
珪藻土を使った商品は他にも有る。
(番外編おまけ1)
通気性のある珪藻土を活かしたグッズが店頭やオンラインショップで販売されています。例えば冷たい飲み物で机を濡らさないために役立つのが珪藻土コースターです。
珪藻土でできたスプーン。砂糖や塩などの入れ物に入れておくと固まらないそうです。
書類やパソコンの近くに飲み物を置いても安心ですね。他にも珪藻土を活用したバスマットや洗った食器を乾かす珪藻土マットもあり、水回りで使うのにオススメです。
(番外編おまけ2)
珪藻土や珪藻土クロスと同じような効果・効能がある内装材は他にもありますのでご紹介しておきます。
・漆喰
・ホタテ漆喰(ホタテの貝殻入)
・エッグウォール(卵の殻入り)
*ホタテ漆喰もエッグウォールもかなり細く粉砕した殻ですのでご心配いりませんよ。
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