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廻縁について考えた

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廻り縁について考える 

注文住宅の仕様打ち合わせ、色決めの中で 「色は何色にしますか?」「この色がいいと思いますよ?」と言った内容の会話をされた経験のある方は、きっとこのブログを読んでいないと思います(もう建てられた方?)。

 

これから注文中住宅を建てられる方は今後【色や形】について、そのような会話をされる機会があると思います。その会話は それはそもそも廻り縁を使う前提の話です。

 

そこで疑問?では、そもそも廻縁(わまりぶち)って何のためにあるものなのでしょうか?廻縁があったほうが良いの?なくても良いの?まずは、そこから考えていきましょう。

 

 

廻縁(まわりぶち)

廻り縁とは、天井と壁の境目に使用する「見切り材」のことです。「見切り材」とは、壁面や床面で仕上げがタイルからクロスに変化する部分や、角などの入隅(いりすみ)・出隅(ですみ)に使用する部材の事です。「見切り材」を使用することで、仕上げの切り替えがうまくできるので、きれいに仕上がります。

 

廻縁=あら隠しと言っても良いかもしれません。。。(言い過ぎたかもm(__)m)

 

廻縁(まわりぶち)

 

(Panasonic 廻り縁4型 )

 

日本では、昔から廻り縁を使用してきました。伝統的な日本家屋や、現在の住宅の和室に使用されている廻り縁は、木製の角材がほとんどです。和室に白の廻縁では合いませんから、その空間の主役にならないような選定の仕方をする方が良いと思います。

昔から廻り縁を使用してきました

 

しかし、現在は塩ビ製やアルミ製など、木製以外にも様々な種類の廻り縁が販売されています。また、現在では廻り縁なしの仕上げをしている建築物が多くなってきている気がします。それは何故か?それは後ほど書いていきます。

 

廻り縁有り  にした方が良いの?

 

メリット

ここでは廻り縁を使用するメリットを確認してみましょう。

まず一つ目は、廻り縁によって天井と壁の境目をはっきりとさせることで、水平面を強調させ、空間をはっきりとさせてくれることです。

二つ目は、使用する廻り縁の種類によって空間が印象的なものにできることです。廻り縁の種類については後ほど詳しくご紹介しますが、一般的に「モールディング」と呼ばれる洋風の廻り縁があります。装飾を施されたものも多く、使用することで部屋の空間をよりエレガントな雰囲気・個性的に仕上げることができます。(好みによります)

 

廻り縁を使用するメリット

 

三つ目は、天井と壁の間にできた隙間などを隠してくれることです。建物は、常に風圧や地圧、建物の荷重に耐えながら建ち続けています。人が感じることはなかなか難しいですが、常に様々な力によって揺れています。そうした揺れによって、天井と壁の間に隙間ができたり、仕上げのクロスや塗料がよじれてしまいます。廻り縁があれば、それらを上手に隠すことができ、きれいな状態を保つことができます。

 

デメリット

では逆に、廻り縁を使用するデメリットをみてみましょう。

大きなデメリットは、廻り縁が目立ってしまうことです。吹き抜けや、天井高が十分にある住宅であれば、廻り縁を気にすることは少ないですが、やや低めの天井高だと廻り縁が目立ってしまい、空間を実際よりも狭く感じさせてしまうことや圧迫感を与えてしまうかもしれません。特に、壁面・天井面と廻り縁の色が異なると、目立ちます。あえて目立たせることで空間をピシッと引き締める役割もありますが、使用する部屋に合わせて色や素材を選びましょう。

 

廻り縁  なし はどうなのか?

メリット

廻り縁を使用しない場合のメリットは、廻り縁が無いことで空間がすっきりとすることです。

壁面や天井とは異なる素材の廻り縁などで、壁面や天井面に凹凸が少しでもあると、境界をしっかりと認識させてしまうため、その空間の広がりが限定されてしまいます。廻り縁が無いと、空間をより広く感じさせることができます。

 

廻り縁を使用しない仕上げ方法には、代表的なものが2つあります。

一つ目は、突き付け仕上げという方法です。壁面と天井面の境目で仕上げを終わらせる方法です。壁面と天井面の仕上げ材が角でぶつかるような仕上げ方法のため、エッジの効いた仕上がりになります。しかし、クロスの剥がれ等の隙間が目立ってしまうという弱点があります。

二つ目は、目透かし見切りを作る方法です。壁面と天井面の境目に小さな隙間を作り、見切り材などを使用して仕上げる方法です。目透かし見切り部分を利用して、ピクチャーレールを取りつけたり、間接照明を入れたりして、有効活用することもできます。ピクチャーレールと間接照明の両方を取り入れて、展示空間をつくるのも良いかもしれません。

また、目透かし見切りを作っておくと、壁面のみ、天井面のみといった部分ごとの仕上げの補修や改修がしやすくなります。暮らし続けてみて、「そろそろ部屋の雰囲気を変えたいな」と思ったら、壁面を「アクセントクロス」と呼ばれる色や柄の付いたクロスに変更すると、雰囲気がガラッと変化します。

 

デメリット

廻り縁を使用しない場合のデメリットは、建物が少しずつ揺れ続けることによってできた隙間や、クロスなど仕上げ材のよれ・はがれが起こると目立ってしまうことです。

先ほどご紹介した目透かし見切りを作る方法であれば、この心配も軽減できます。また、仕上げのよれ・はがれが起きてしまった場合、目透かし見切りできちんと壁面と天井面の仕上げを見切っておけば、補修もしやすくなります。突き付け仕上げの場合、壁面のクロスだけを剥がして貼り変えたいのに、天井面のクロスを傷つけてしまう可能性もあります。

 

廻り縁  寸法

廻り縁は、その種類によってさまざまな寸法があります。一般的な住宅に使用されるものでは、真正面から見た時に見える幅のことを指す「見付寸法」が3センチ前後のものが多いです。中には、見付寸法が1センチに満たない薄型のものや、反対に10センチ程度の大型のものもあります。廻縁を見せたくない方はなるべく小さい寸法を、あえてアクセントとして見せるなら大きく装飾性のあるものを使うと良いと思います。

 

廻り縁  読み方

「廻り縁」の読み方は、「まわりぶち」です。建築の用語には、何を指しているのか想像しにくかったり、読み方が難しいものも多くあります。今回は、ぜひ「廻り縁」を覚えてください。「まわりこう」「まわりこ」と言ったりもします。

 

こんなのもあります

一言で「廻り縁」といっても、様々な種類があります。素材別に簡単にご紹介します。

まず一つ目は、木製です。昔ながらの和室にもみられるような角材のものから、装飾が施されたものもあります。

 

二つ目は、ポリ塩化ビニル製です。「塩ビ」と呼ばれることが多い素材です。こちらも、形状や大きさはデザインによってさまざまです。ポリ塩化ビニルは、耐水性などに優れ、木製のものあるような虫食いの被害もありません。モールディングとも呼ばれるエレガントな装飾が施された洋風のものから、見付寸法の小さいL型のものや薄型のものもあります。選べる色にも様々な種類があります。パナソニックなど、皆さんがよくご存じのメーカーでも、ポリ塩化ビニル製の廻り縁を扱っています。その中でもフクビの出している廻り縁には「F型」のものがあり、施工性に優れた廻り縁の一つです。

 

木製

 

(フクビ 廻り縁 F型)

 

三つ目は、アルミ製・ステンレス製です。見付寸法が小さいものが多く、よりすっきりとした仕上がりとなります。見た目は、廻り縁のない目透かし見切りとほぼ同じです。形状には、L型、T型などがあり、それぞれ施工方法が異なります。形状によっては、壁面と天井面の下地となる石膏ボードを施工する段階で取り付けなければならないものもあります。工務店によって施工方法が異なるので、希望の見付寸法を伝えた上で、施工方法に見合った形状のものを工務店に選択してもらうと良いでしょう。アルミ製・ステンレス製の廻り縁のメーカーには、創建や杉田エースなどがあります。

 

四つ目は、MDF製です。「MDF」とは、繊維状にした木材に接着剤や樹脂を混ぜて成形したものです。MDFのように、木材を原料として繊維状にしてから成形したものを総称してファイバーボードと呼びます。ファイバーボードの中には、ハードボードやインシュレーションボードと呼ばれるものもあります。MDFは、木材と異なり木目や節目がありません。そのため、複雑な加工に適しています。MDF製の廻り縁には、複雑なデザインのものもあります。

 

まとめ

「廻り縁」を使用すると、壁と天井のよれ・はがれをカバーしてくれるという大きなメリットがあります。使用する廻り縁によっては、空間の印象を変えてしまうものもあるので、慎重に選びましょう。廻り縁を使用することで、施工時の材料費・施工費が発生します。その費用がもったいないからといって廻り縁を選択しないということもあるでしょう。しかし、廻り縁を使用しないと、将来的に壁面と天井面のよれ・はがれが気になり、補修をしなければならない可能性がより高くなります。その補修費用のことも考えた上で、廻り縁の使用・不使用を決定しましょう。

 

廻縁ありの場合は

はっきりとした空間となる。クロス壁と天井のよれ・ねじれが目立ちにくい。でも、狭く感じる?モッサく見える?

 

廻縁なしの場合は

広い空間に感じる。すっきりとした見た目。でも、よれ・ねじれが目立ちやすい

 

インテリアにも影響を与えそうですので、少しだけでいいので慎重に考えてみて下さい。

どちらを選んでも間違いではないですので!

 

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