塗り壁は実はメンテナンスしやすい?
塗り壁は人に優しい建材!内装にも外装にも使える?
建築プランを立てている時は楽しい反面、建材選びで悩みも多いタイミングですよね。何を選ぶかで耐久性や価格などもモノによってかなり左右されますので慎重に選びたいです。
そんな数ある建材の中で壁材をどうするかもその一つ。外壁は家に住む方の印象にも直結する、と言っても過言ではない位ですので、かなり悩んでしまう方もいるのでは?
部屋内部の壁に至っては最近どんどん新しい材質・デザインのものが増えていて悩むポイントは増えていくばかりですよね。。。そこで今回は「塗り壁」に焦点を絞ってお伝えしていこうと思います。
「雰囲気があって素敵だけどメンテナンスでお金がかかりそう!」とクロスを選ぶ方も多いようですが…実はメンテナンスは簡単!
メリットもたくさんある塗り壁のことをもっと知っていただいてから、塗り壁を採用するかどうか判断いただければと思います。
この記事のもくじ
塗り壁は手入れが大変というのは大きな誤解
塗り壁、実はメンテナンスは簡単にできるのもおすすめのポイントなんです。実際に白色の塗り壁にしているお宅で、一度コーヒーを派手に引っ掛けてしまったケースがありますが、これどうしたと思いますか?
答えは「拭いてシミになったところはキッチン用の漂白剤をスプレーして拭き取った」でした。
クロスだと逆にできないケースも多い漂白剤、塗り壁だから使えたというところがポイントです。
他には
・消しゴムでこする。
・メラミンスポンジで軽くこすって落とす。
・サンドペーパーで削り落とす。
・部分的に塗りなおす。という方法があります。
DIYが好きな家主さんのお宅で、塗り壁部分に間違って塗料が付着した!という事件もありました。
一面塗り替え…?なんていうことも検討されたようですが、この時DIY好きのご主人は「自力で部分的に塗りなおした」というお話がありました。
実際見てみるとかなり部分的な補修で、本当に汚れた部分だけを補修したので言われてみてみれば確かにわかりますが、知らなかったら気付かないレベルでした。こういうことができるのも塗り壁だからこそなのだ、ということを知っておいていただければと思います。
塗り壁にするメリット
まずは簡単に塗り壁のメリットだけを取り上げてみます。
・クロスと比べ経年劣化しにくい
・調湿効果があり室内のカビを抑制
・音漏れしずらくなる
・耐火性がある
・砂壁以外は脱臭性があるので生活臭を防げる
・クロスと比べ自然のもので施工するので安全
・施工する左官屋さんの個性もでるので他の家と同じにならない
・外壁でも小さなヒビ等は同じ塗料を指や筆で塗れば修繕可能
外壁として塗り壁を採用する場合は、素材によって耐久性が異なるので使う建材についての知識があったほうが良いでしょう。クロスだと10年以内には張替えが必要になるケースがほとんどですよね。でも…10年後も同じクロスが絶対にある、とは限らないんです。(どちらかというとほぼ無い。。。)結構内装クロスは回転(廃盤)が早いです。
見落としがちなポイントですが、そうなると10年後、部分的に張り替えればいいか…と思っていたのに全面張替え!ということになりかねませんね。それと塗り壁のお宅に伺うと、「生活臭がほとんど気にならない」というのも嬉しいですね。※砂壁にはその効果はありません。
猫ちゃんがいるお宅でも、家に来る人が「猫の匂いがまったくしない!」と驚いているという話も聞きます。
塗り壁にするデメリット
メリットに続いてはデメリットもチェックしておきましょう。
・塗り替え範囲が大きくなる場合クロスより高くなるケースもある
・塗り替えや新築時は塗り壁の方が施工日数が長くなる
・クラック(割れ)が発生する可能性がある
・サイディング(外部)・クロス(内部)と比較するとコストが高くなる
このようなデメリットがありますが、必ずしもこの通りではないのも塗り壁の強み。
例えばコストに関して。
塗り壁は定期的にチェックしておけば、普通に生活していてヒビやクラックが出ても自力でも簡単に修繕できます。こまめにチェックして手入れをしておくことで、長いスパンでの修繕費用も抑えることができます。汚れもよほどのことがなければ先述したように比較的簡単にケアできるのもポイントです。
塗り壁の種類は5種類
塗り壁には5つの種類があります。それぞれの簡単な特徴と合わせて紹介します。
①漆喰壁…湿度調整機能に最も優れ、化学物質を吸着分解しカビとダニを抑える効果で表面はツルツルした白色が多い
②土壁……ザラっとした土っぽい感触のもののほか、ツルっとしたものも。人にも優しい上、蓄熱・防火・調湿・防音効果もある。
③砂壁……天然の砂や砕石、金属やガラス粉、貝殻粉が使われることもあり、ザラザラしている
④プラスター壁…漆喰壁ににていて西洋漆喰とも呼ばれるが漆喰よりも高くクラックが発生しずらい、石灰・石膏を使った材質
⑤珪藻土壁……脱臭・断熱・耐火・調湿効果に優れている。
オシャレな家を目指してデザイン性を求める場合には漆喰や珪藻土、プラスター壁が良いですね。
外壁を塗り壁にしても大丈夫?
結論から言ってしまうと、外壁を塗り壁にすることは、十分アリという事をお伝えしておきましょう。モルタルは地震でヒビが入りやすい、塗り壁である以上はヒビやクラックが発生する可能性は0ではありません。
サイディングにしたところで、同じことではないでしょうか?むしろこまめに自分でもケアできる塗り壁は、長い目で見てコスパにも優れている上、(種類によっては)デザイン性もあるのでおすすめできます。
ジョリパットという外装塗装剤もある
1975年に発売されて以来多くの外壁塗装にに利用されているジョリパット。
これは塗料に砂を混ぜた外壁塗装剤で、モルタル壁の上からコテやローラーで塗ったり、スプレーで吹き付けて使います。塗り壁にしてはコストも抑えられるのに機能性が高いというのも選ばれる理由でしょう。塗り壁で一番懸念されるクラックやメンテナンスの頻度が抑えられるのがジョリパットの大きな特徴です。
ジョリパットの良いところは高機能・デザイン性に優れている点
まずはジョリパットの良いところをみていきましょう。
・頻繁にメンテナンスしなくてもよい素材を選びたい
・外壁に風合いを持たせたい
・藻やカビで汚れるのを防ぎたい
・キレイな状態をできるだけ長くキープしたい
こんなにわがままを言っても受け止めてくれるのがジョリパット。
屋外での劣化に強いだけでなく、防火・耐火・遮音性・遮光効果も期待でき、厚みがあるので耐久性もあります。
クラックが生じにくい素材なので、その点もおすすめの理由としてご紹介しておきます。
ジョリパットのデメリットは高圧洗浄に向かないことと塗装技術が求められること
良いところがたくさんあるジョリパットですが、もちろん注意点もあります。
・デザイン性を求めると技術力が必要になる
・高圧洗浄はおすすめできない?
・凹凸があるので汚れが貯まりやすい
雨が続く時期や雪の後などでは外壁が明るいお宅では汚れが気になることがありますが、そんな時は高圧洗浄できれいにするというのは常套手段。
ですが高圧洗浄には向かないジョリパット、高圧洗浄なしできれいにするというのはなかなか至難の技。汚れが付きにくい製品ではありますが凹凸もあるので、立地によっては樹脂などが付着し汚れ安い場合もあるかも知れません。(周りに木がたくさん生えているような場所にあるお宅の外壁で、黒ずんで見えることがありますよね)
ジョリパッドは意匠性に優れ、高機能なところが魅力です。
独特の風合いもあるので、色々なテイストのお宅の外観が美しく仕上がる。ですが立地によっては汚れが付きやすく、簡単にはきれいにならない…そこで知っていただきたいのが「そとん壁」という外壁塗装剤。
見た目はジョリパットと似ていますが、もう少しゴツゴツした風合いがより魅力的です。高圧洗浄もできて、暑い時期には打ち水をすることで室内の温度上昇を抑える効果もある自然にも人にも優しいのもポイントです。
「そとん壁」については長くなってしまうので、別記事で詳しく取り上げたいと思います。
塗り壁風クロスや塗り壁風サイディングはある?
塗り壁のなんとも言えない風合いのある模様が好き!でもやっぱりメンテナンスが気になって…。
そんな方には、塗り壁のようなサイディングやクロスも色々なメーカーから販売されているのでチェックしていただければと思います。外観をちょちょこいじりたい!という方は少ないと思いますが、室内は模様替えを頻繁にする、そんな時にも気軽な塗り壁風クロスはおすすめ。(しかし、風です。。。)
アクセントとして一面だけ、なんていうときも気軽に変更できるのがクロスやサイディングを選ぶメリットですよね。
内装を塗り壁に!DIYできる?
『自分で自宅の内装を塗り壁にDIYしたい!』そんなDIY好きの方はもちろん、自力でDIY施工もできます。今は色々な塗料が販売されていて素人の方でも扱いやすいものもありますよ。
塗り壁はDIYもできる
職人さんが使うものは扱いが大変な場合もありますが、一般の方がDIYで気軽に塗り壁にチャレンジするなら「一人でぬれるもん」のような一般向けの塗り壁塗装剤をおすすめします。
スターターキットが販売されているものもあるので、気軽にスタートできるのが魅力。WEBで施工例を動画でUPされているサイトなどもあるので、まずはチェックしてみると実際の工程のイメージもつかめますよ!
広い範囲を塗り壁でDIYするのはおすすめしない理由
塗り壁はDIYでも施工はできます。
ですが、広い範囲を自力でDIYする、というのはおススメはできません!というのもこんな理由があるからです。
・高い技術力が求められるから(デザイン面) ・外壁は足場もないと無理だし危険! ・素材によっては手や肌に触れるダメなものもある ・失敗してしまった時のやり直しが大変
デザイン性に惚れて塗り壁を希望されるケースが多いと思いますが、そうなるとやはりオススメなのは技術力のある職人さんに仕上げてもらう方法。
部屋の壁一面だけをアクセントに塗り壁にしたい、というような場合ならDIYで頑張ってみるのも良いでしょう。やってみればわかりますが、簡単そうに見えるかもしれませんが結構大変な作業。。。というわけで、塗り壁を広い範囲に施工する場合には良心的に施工してくれる技術力のある職人さんを頼りましょう。
まとめ
外壁・内装の塗り壁について紹介してきました。
塗り壁には5つの種類があり、それぞれに特色が異なること。塗り壁は思っているよりメンテナンスが簡単でコストもかからないこと。空気や湿度、温度などを快適に保ってくれる塗り壁素材もあること。
DIYもできるけれど、広い範囲はDIYはおすすめできないこと。
外装ではジョリパットも良いけど「そとん壁」もおすすめということ。
塗り壁は色々大変!と誤解されてしまっているのが残念なので、その誤解を解くべくまとめてみました。今後新築やメンテナンスの際に、ここでお伝えした情報も併せて検討してみてくださいね。