C値(気密性能)の目安は?
◆今回はこんな方の為に書いています。
⇒C値について知りたい方へ
⇒一種換気、三種換気について知りたい方へ
◆今回の記事を読むとこんな事がわかります。
⇒換気量について
⇒C値の大体の目安
今回は高気密住宅を建てるときに絶対耳にするC値についてどこまで追求すべきなのかを一緒に考えていきましょう。最近多くの工務店やハウスメーカが C値はこれぐらいまでにはしよう!しないといけない!!と会社の中で基準を決めてやっている会社が多くあり、これは真面目にやってる会社ほど言っている印象がある気がします。
C値の値がこれでないと!という根拠っていうのは結構曖昧なところがあるので追求していきたいなと思います。今回の内容は客観的事実が大半ではありますが、個人的な考えも入ってはいるので、、、そこはよろしくお願いします。m(__)m
C値の基準ってあるの?
この記事のもくじ
C値1.0は切っておこう!っていうのは住宅業界の中ではよく言われることなのですけど、これは単純に三種換気がしっかりと機能するかどうかが目安になってきています。今、約9割の住宅が三種換気になっているのが現状です。
C値1.0を切っておこう!というのは住宅の圧力、隙間がないということに頼って機械で排気をしたときに吸気口から自然に入ってくるということを期待している。ということなのです。なので C値1.0ぐらいじゃないと吸気口からしっかりと空気が入ってこないことになってしまいます。建築基準法というものを聞いたことがあると思います。この建築基準法には換気について部屋の空気が窓全部閉め切っていても1時間に0.5回、空気が入れ替わるようにしないといけないということが建築基準法で定められています。
1人につき換気量はどのくらいいるの?
先ほど1時間に0.5回の換気をしないといけない。と説明しましたが、住宅はひとつずつ大きさが違うものです。大きな住宅に2人暮らしという例もあれば小さい住宅に5人暮らしっていう例もあるわけですよね。そのため、1人の適正な換気量というものもしっかりと決められているのです。(換気の計算ってややこしい、、)建築基準法には、1時間当たり30㎥換気してください。という目安かあります。ということは、4人家族だったら1時間に120㎥の換気がほしいなっていう話になるし、2人だった60㎥の換気でいいよ~っていう話になるということになります。
C値基準の今と昔
昔は、建築基準法を見ると、温暖地ではC値5を、寒冷地ではC値2を切っていれば気密住宅だ!!ということが書いてある本がありましたが今ではもうその記載すらなくなってしまいました。現在は、格安価格で建てられている建売住宅などでも、構造の外側は合板のような面材を使用し内側は石膏ボードを張って建てられています。このように袋入りのグラスウールを使って気密工事をしていない住宅でも、C値2~2.5くらいは出ることが多くなってきているようです。施工の仕方や建築材料の進化によって気密性能がよくなっているみたいです。
C値1以下のなるといい理由
ここでグラフをつかって考えていきましょう。グラフのC値1のところを見てみると、C値1が50%だったら、2.5人分の換気量という話になります。仮にC値1の時に30%だったとしたら、1.5人分くらいしか空気が入ってこないってことになります。2.5人分って言ったら大人2人+子供1人分くらいの空気量が入ってくるということになります。こう考えるとC値1っていうのは絶対必要なんじゃないかなと思いますよね。C値2、C値3になってくると、理想的な換気量に達していないということが見えてくるかなと思います。
三種換気のシステムはファンの選択が重要
三種換気を取り入れるためにはファンが重要になってきます。ファンは種類によって限界の制圧が異なってきます。どこまでの静圧を出せるかは風量とはまた別の概念です。皆さんがファンと言って想像するものはプロペラファンだと思います。プロペラファンは風量は多く運べるのですが、圧があまりとれないのが現状です。三種換気をやる場合はシロッコファンを使うの重要です。しかし、実際にはプロペラファンを使用している住宅会社が多くあると思います。気密性が低く、プロペラファンを使っているってなったら三種換気をしても各居室にキレイな空気が流れないということになります。
中気密断熱じゃダメなの?
中気密でいんじゃないの?と思われる方もいるのではないでしょうか?言われている方は、気密を高めるのに給気口穴を開けてさらに機械で排気するなんて、、、と思っているはずです。(思っていなかったらごめんなさいm(__)m)これが確実に高気密の方が良いのではないかと思うのは、建築基準法では1時間に0.5回、空気が入れ替わらないといけない。ということを前半で書きましたが、これが中気密になってしまうと、大体0.4回分くらいしか空気が入れ替わらないということになるのです。
ここは余談かもしれませんが、おじいちゃんおばあちゃんが暮らしている和風の無断熱住宅ってメッチャメチャ寒い代わりに窓を全部閉めていても自動的に換気がされていくので空気はすごく綺麗なんです!!(すごく余談でした)しかし、外気が汚れている場合はその限りではありません。。。
C値は左右される?
一種換気は、システム自体による換気回数+漏気回数分換気するっていうに考えられます。そして、三種換気は排気の向きと風向きが同じ場合は1時間に0.5回+α回の換気量になりますが、排気向きと風向きが逆の場合は1時間に0.5回-α回になるのでは?と思います。1時間に0.5回-α回ということは、0.5回換気がされないということになりますね。
なので言えるのは、外部の風向きの状況でC値は左右されることがあるのかもしれません。こう考えると一種換気の方が、空気の流れている量が確実に多いかな、、、という気がします。
C値0.5を切らないとダメ?
今の住宅って大体8割~9割以上の住宅がC値0.5を切っている現状にあるのです。例えばI工務店を例に出すと、全棟1万3全棟くらい建てていてその平均C値が0.59と言われています。会社によっては絶対C値0.5を切らないといけない!なんて事を言っている会社もあるみたいです。しかし、正直のところ、C値0.5とか0.6になってくると住宅にある隙間から漏れていく空気の量というものはほとんど変わってこないのです。数字が出るとそっちに囚われちゃうんですけどね、、、このくらいの領域になってくるとC値が0.5だからいい!0.6だからちょっと、、、とどこに会社が線引きをするかという話になってくるのです。
換気の回数、漏気回数ってどれくらい?
例えば、C値が2で広々としたところに住宅を建てると隙間から1時間に0.3回分も空気が入れ替わってしまうことになります。逆にC値0.5くらいになってくると、0.08回分、8%しか自動に家の空気が出入りしないということになります。これがC値1になるとC値0.5の時の約倍くらいになってきます。C値はどこまで突き詰めるのか、一種換気、三種換気をどうするのかというのはどこまででも突き詰めることができる話です。線引きが難しいという問題なのです。
まとめ
今回紹介したことは、C値に関して、一種換気、三種換気に関してダーーッと駆け足に紹介してきました。難しく話してきましたが、C値の良い住宅が良いことはもちろん間違いはありません。しかし、どこまでそれを追求するのか、どこに線引きをするのかがとても難しいポイントです。気密住宅について興味を持ってくれた方の少しでもお役に立てれば幸いです。