ウッドショックって?影響いつまで?注意したいポイントは?
これから家を建てようとされていらっしゃる方はすでにご存知の方もいるかもしれませんね。
そう、「ウッドショック」というものが今住宅業界を震撼させています。ウッドショックとは家を建てる施主さんにも影響がある場合も!!と言うか、影響が出始めております。
というわけでここでは『ウッドショック』って何?という疑問を解消しながら
- ウッドショックの影響はどんなものか
- ウッドショックはいつまで続くのか
- 家を建てる際に気を付けておくべきポイントは何か
といった内容でまとめていきますのでチェックしてみてくださいね。
では始めていきます!
ウッドショック2021とは何か?
この記事のもくじ
ウッドショックとは今世界中で騒がれている「世界的な木材価格の高騰」のと、「日本にの圧倒的木材不足」。
日本においては倍以上、アメリカでは3倍になったケースもあるのだそうです。
ウッドショックの始まりは2021年3月ごろ、新型コロナウイルスの影響もあり働き方というものが見直されたことで世界的に家を郊外に新築したり、今の家でもテレワークなど含めた快適な環境とするためのリフォームが盛んになったからといわれています。
実際日本でも郊外へ転居したり、テレワークがしやすい家を新築したいという考えの方が増えていますよね。
日本のみならず世界中が同じ状況になったことで、木材の需要が急激に増加したことにより木材価格が高騰しウッドショックを招いているのです。
ウッドショックの原因
ウッドショックの原因は「海外の木材はすでに高騰していて購入は難しい、かといって国産材が市場にでる数も限られてしまっている」という状況下で圧倒的に木材が不足しているからです。
何となく「木材なら日本でも調達できるでしょ?」と思われる方もいるかもしれませんが・・・実は日本の木材需給率は4割ほどで、6割が外国産(特に欧米)に頼っていたという事情もあります。
海外から輸入するにも、船で運搬することになるわけですが人口の多い中国でも同じく木材ニーズが高まり世界中から木材を高値で輸入している背景もあり、運搬する船そのものも不足しているんですね。。。要するに世界中で木材の取り合い状態。。。
これも輸入コストが上がることで、結果的に木材価格高騰の原因につながっています。
「木材が不足してるなら国産材をもっと流通させたらいいのでは?」となりますが、簡単にはいかない事情があるのです。。。家を建てるうえで欠かせない木材ですが、建築業者以外にも”山主 ⇒ 伐採業者 ⇒ 製材業者 ⇒ 合板業者”という業者の連携があってこその素材。
日本において国産材のウッドショックの原因となっている発端となるのは簡単に言うと「今の木材バブルがいつはじけて以前の価格になってしまうかわからないから、急いで伐採するための契約をしたくない」からともいえます。
木材を山から出すために伐採業者が山主と契約をしなくてはなりませんが、これには手続きや機材・人員確保のために3か月程度必要になるのだそう。
3か月もあれば今の状況が継続している保証は当然ないわけですから、木材価格が高騰した状況下で新規契約することにはコスト的なリスクがある、そして保守的な考えが横行している業界ですから『難しい』という結果になっているんですね。(多分ですが、、、)
ウッドショックを打破できる?日本木造分譲住宅協会の取り組みに期待
施主さんにとっては余談にしかならない情報かもしれませんがこんなものもあるよ、ということで簡単に紹介します。
オープンハウス・ケイアイスター不動産・三栄建築設計の三社が2021年4月に共同設立したこの協会の取り組みにウッドショックの状況打破の期待が持てます。
どのような取り組みをするのかというと『国産材を安定価格で安定供給する』ため原木生産事業者製材会社とタッグを組み、適正価格で木材を安定供給するための支援を行っていくというもの。この取り組みがうまく軌道にのってくれればもしや…
日本のウッドショックは早期に解決してほしいのですが、世界的に見て【質にうるさく価格にコスイ日本】は相手にされていない現状だと聞きますので、そこら辺の価値観も直していくことも大切かもしれません。
ウッドショックの影響
ウッドショックが起こりどんな影響があるのか…3つの事が起こりえます。
まず一つは 「住宅価格の高騰」
もう一つは 「家が建てられなくなる」
そして考えたくないですが「ハウスメーカーや工務店の倒産」
ただし、これはハウスメーカーや各工務店の事情によるところが大きいんですよね。大手ハウスメーカー9社に取材を行い、「住宅価格は高騰する可能性があるか、木材の仕入れが遅延する可能性があるか」をまとめた動画をチェックしてみると…
ほとんどの場合、『すでに仕入れ済みの木材があり遅延なく、価格の高騰もないもしくは高騰しているエリアからの仕入れではないので問題ない』と回答しています。が知り合いのハウスメーカーの方に来てみると現実はそうでもなさそうです。話は変わりますが 非住宅(店舗・施設等)は壊滅状態だとか。
それでも一部は『遅延の可能性があって、価格も坪単価2万2千円~の値上げの可能性もある』としています。木材価格が高騰するとどの程度値上がりするのが妥当なのかを推測していただくためにお伝えすると、住宅価格に対して木材価格が占める割合は1~2割程度。
坪2万2千円の値上げとなると35坪で77万円の値上げということに!!(アメリカでの話をしてしまうと、現状住宅価格は5~10%値上がりしてしまっているようです。)値上げだけでなく木材の不足により『家を計画通り立てられなくなる』ということも一部では起こりそうということですから、これから家を建てようとされる方にとっては大きな問題となる可能性がありますね。
またこの影響を大きく受けやすいのは一括仕入れなどですでに木材を保有している大手ハウスメーカーよりも、地元や国産材にこだわっているハウスメーカーや工務店です。この点もこれから家を建てるなら覚えておいてください。
着工・上棟などの現場状況に応じてお客様からのお支払いで業者さんへの支払いを行っている会社さんは、あまりにもこの状況が続き借入が出来ないとなると、内部留保を食いつぶして最悪の場合倒産になるケースも考えられます。しかし国土交通省が資金貸付の制度をスタートするとかしないとか。
ウッドショックで木材不足による工事遅延の影響は家計に大きく響く場合も!
注文住宅で家を建てる、その際にローンを申請して購入するという方がほとんどだと思いますが…ウッドショックにより木材仕入れが思うようにいかず新築工事が遅延するということになると、家計に大きな打撃を受けてしまうことがあります。
注文住宅を自分で選んだ工務店・ハウスメーカーで建てるという場合には、まずは先に土地を購入することになりますよね。この時点でローンを申請し、契約の翌月にはローンの支払いがスタートするわけです。
家が引き渡しされるまでは現在の家賃とローンを支払うことになる方にとって、この2重苦の時期は少しでも短くしたいところですよね?!ウッドショックのせいで『木材が思うように仕入れできないから工事遅れます~』なんて言うことになれば家計は大打撃です。
これから家をたてるなら、契約する前にウッドショックの影響はないかしっかり確認しておくことをおすすめします。
ローンを組む金融機関によっては打撃を抑えられることも?!
金融機関によっては「ローン総額を土地決済時にローン契約する」のですが中にはこんなケースもあります。「まずは土地の分だけローンを組んで翌月から支払いスタート、残りの分は建物の決済時にローン契約を行いその翌月から支払いスタート」というケースです。
これができれば賃貸からの引っ越しで、『どうしてもこの工務店・メーカーで家を建てたい!(けど工事遅延が…)』という場合に家計の負担を減らすことができます。
どうしてもという工務店やハウスメーカーが決まっていて、工事遅延も分かっているという場合にはこのような金融機関でのローンを通すことを検討してみるのも一手ですね。
ウッドショックはいつまで続く?今後の見通しは?
正直なところ、コロナの終息がいつになるのか分からならいのと同じように、明確に「いつ終わるよ!」とはいえないのもウッドショックのいやなところ。
ではありますが今のアメリカや中国で盛んにリフォーム・郊外での新築になっているという状況がずっと続くことはないですよね。(ただの希望的観測ですが、、、)
そうなればどこかのタイミングでは日本向けの木材が不足している現状も変わってくることは予測できます。(ただの希望的観測ですが、、、)
また日本での国産材の流通を改善しようと始まった日本木造分譲住宅協会のような働きが軌道に乗れば、国内でも木材が今よりスムーズに確保できるようになります。余計な楽観視はこれから家を新築しようと考える皆さんにとってあまりよくないかな、とは思うのですが今ほど悪い状況は長くは続かないのではないかという見方もあるようです。
新型コロナのワクチン接種も進んでいくわけですから、むしろ今がどん底といえる状況なのではないかとも思えます。
必ずしも来年には良くなりますよ!とは言えない状況ではありますが、何年も続いたり、よりひどくなるという事はそうそうないのではないかな?と私は考えています。でも年内はこのまま続くのかな~???←正直よくわかりません。
【注意!】ウッドショック・コロナの影響で経営悪化している会社
むしろ怖いのは「ウッドショックでこれからどんどん価格高騰しますから、今契約したほうが良いですよ!」などとせかされて契約するケースです。
家って一生ものの買い物です。このブログでもいろいろなお話をお伝えしていますが、家をどこで建てるかで家の仕上がり、その後の生活にも大きな違いがでてくるもの。
ですから『納得できる買い物にするためにもじっくり選ぶのが得策』と考えています。
だからというだけではありませんよ!!
なぜ【注意!】とものものしい書き方をしたのか…それは「経営状態が良くないから早くお金が欲しい」という意図から契約をせかされて、
- クオリティの低い住宅を契約させられる
- 工事遅延で困らされる
- 建てたけどメーカー・工務店がつぶれてアフターフォローがされなくなった!
なんていうことになりかねないからです。どれも困りますよね?困るなんてもんじゃすまされない場合もあります。
ですからこのブログでも何度もお伝えしていますが、家を建てる工務店・住宅会社を選ぶ時には『安心して任せられるかどうか』を慎重に検討してください。
まとめ
さてここまで『ウッドショックとは何か』に始まり、これから家を建てようとされるみなさんに知っていただきたい『ウッドショックの影響』、『ウッドショックの今後の見通し』などお伝えしてきました。
家を建てるうえで欠かせない木材が不足する、というコロナの影響が始まったときには想像もできなかった事態が今起こっています。
そしてその影響はこれから家を建てようとされる方にとって見逃せない「工事遅延・住宅価格の高騰」であること、影響を受けているのは先に木材を確保していなかった工務店・ハウスメーカーでかつ「欧米材をメインとした家づくりをしているところ」です。
木材だけでなくその他の家づくりに欠かせない部品なども値上がりしてきているものもありますが、このウッドショックの大打撃を受けているようなところに急かされて契約をしないでね。ということも忘れないでいただきたいです!!
『今だからこの値段で契約できるんですよ~』という悪魔の誘惑に負けることなく、納得のいく家づくりを検討してくださいね。
そして早くウッドショック、そして世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの一連の騒ぎが落ち着いて平常に戻ることを切に願います。。。