夫婦別室は正解?! 離婚率は?寝室を別にするメリット・デメリットをご紹介
「夫婦が別寝室だと離婚率があがるの?」「夫婦の仲が悪くなる?」と聞くとドキッとしますよね。
注文住宅を建てるために間取りを決めていく段階で、夫婦の寝室について悩む方が意外と多いことをご存知でしょうか。この問題は寝室の広さではなく「夫婦一緒の寝室」か「夫婦が別室で寝るか」というもの。
生活リズムの違いや相手のいびきが気になるなどの不満がある場合、寝室を別にするのも1つの解決策です。
しかし、寝室を分けたせいで「夫婦仲が悪くなり離婚に発展してしまうのではないか」と不安に思う方もいるでしょう。
本記事では「夫婦別室(寝室)だと離婚率はどうなる?」「夫婦別室のメリット・デメリット」をご紹介します。さらに、寝室が別々でも夫婦円満で過ごせる間取りについても解説しているので、これから注文住宅の間取りを決める方はぜひ参考にしてみてください。
夫婦別室(寝室)の割合はどのくらい?寂しい?
この記事のもくじ
積水ハウス 住生活研究所によると、夫婦別室の割合は以下のとおりです。
引用:積水ハウス 住生活研究所「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」
別々の部屋で寝ている夫婦は、35〜44歳で27.6%・65歳以上になると62.7%。同じ部屋でも寝具を別々にしているという方も多いようです。
上記の結果から夫婦であっても寝室を別にするケースは珍しくないと言えます。
また、以下は現在配偶者・パートナーと別々の部屋で寝ている人に、配偶者・パートナーと同じ部屋で寝たいか?を調査した結果です。
引用:積水ハウス 住生活研究所「夫婦の暮らしに関する調査(2022 年)」
現在配偶者・パートナーと別々の部屋で寝ている人のうち、16.3%は「同じ寝室で寝たい」と考えていることがわかります。
理由は「夫婦だから・とくに離れる理由 がないから」が 34.4%で「同じ寝室で寝るほうが経済的だから」が 28.1%というものでした。一方、現在配偶者・パートナーと別々の部屋で寝ている人のうち83.7%は、夫婦別室に満足していると回答しています。
夫婦別室だと離婚率はどうなる?
夫婦が寝室を別にすることですぐに「離婚率が上がる」という明確なデータは見つかりませんでした。
なぜなら、ほとんどの離婚した夫婦は寝室を別にしたことが原因ではなく、別の問題が影響していることが多いからです。懸念として、スキンシップが減ってしまうと心が離れてしまうのでは…と不安に感じる気持ちも分かります。
ですが歳を重ねると別室の割合も増えているように「互いの時間や趣味が自然と尊重されるようになる」と捉えメリットに感じるケースが多いです。
離婚率が上がるという根拠はみつからないものの、むしろ「夫婦仲は良くなった」というデータもあります。寝室を分ける場合は、夫婦関係を円満に保つ工夫をすることが大切です。
その秘訣は最後の章でご紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
夫婦が寝室を別にしたきっかけは?
夫婦が寝室を別にしたきっかけは、どのようなものがあるのでしょうか?
お互いのことが嫌いになったり、顔を合わせたくなかったりと夫婦が不仲になったことが原因になる場合もありますが、それだけが理由ではありません。
以下では、夫婦が寝室を別にする主な5つの理由をご紹介します。
相手のいびきが気になる
相手のいびきが気になることは、寝室を別にする代表的な理由の1つです。
いびきの大きさは個人差があり、改善しようとしても簡単には治せるわけではありません。
しかし、眠りが浅く物音に敏感な人にとって、同じ部屋で寝ている人のいびきは深刻なストレスとなることがあります。睡眠不足が続くと、体調不良の原因や翌日の仕事にも悪影響を及ぼす可能性も。
安眠できない場合は、寝室を分けることでお互いの快適な睡眠を確保できます。
生活リズムが異なる
生活リズムが異なるという理由で、お互いの睡眠を妨げないようにと寝室を別にする場合もあります。
たとえば、子どもの世話のために早起きする妻と夜遅くまでの残業や夜勤がある夫では、睡眠時間が重ならないこともありますよね。生活リズムが違う2人が同じ部屋で眠っていると、音や光の影響で寝不足になりお互いの生活に支障が出てしまう可能性があります。
別々の寝室を選ぶことで、各自が快適な環境で自分のリズムに合わせた睡眠を確保できるため、健康的な生活を維持しやすくなります。
夜間の赤ちゃんの世話
子どもが生まれたことをきっかけに、夫婦の寝室を分けるケースも少なくありません。
幼い子どもがいる間は、母親が夜間の赤ちゃんのケアを担当することが多いです。妻は夫の翌日への仕事を考慮し、十分な睡眠をとってほしいと考え、子どもと同じ部屋で寝て、夫だけが別の部屋で眠ることもあります。
寝室を分けることで、妻は赤ちゃんの世話に集中して対応でき、夫はしっかりと睡眠をとることができます。
愛が感じられなくなった
当然ながら、愛が感じられなくなり気持ちが覚めてしまったという理由で夫婦が寝室を分けることがあるのは事実です。
長い時間を共に過ごすうちに日常の忙しさやストレスから、お互いの存在を大切にする気持ちが薄れてしまうことがあります。夫婦の間に溝がある状態で、一緒に寝ることが逆に負担となり、心の距離が広がることも。
別々の寝室を選ぶことで互いにリフレッシュし、自分の時間を持つことができ、結果的に関係の改善に繋がることもあります。
夫婦別室(寝室)にするメリット3つ
前章で夫婦が寝室を分けることがネガティブな理由だけでないことが分かりました。
では、寝室を別にするメリットはどのようなものがあるのでしょうか?以下では、夫婦が寝室を別にするメリット3つをご紹介します。
睡眠の質が向上する
夫婦別室にする最大のメリットは、睡眠の質が向上することです。
睡眠は、心と体をリフレッシュし、元気に日々を過ごすために必要不可欠な時間ですが、いびきや生活リズム・睡眠習慣が異なる場合、同じ部屋で眠ると互いに悪影響を及ぼすことがあります。
しかし、寝室を別にすることで質の高い睡眠が得られ、仕事や家事の効率が向上します。
自分好みに寝室を整えられる
夫婦それぞれが自分の好みに合わせて寝室を自由に整えられるのも、別室にする魅力の1つです。
空調や照明の調節など相手に気を遣うことなく、自分に合った睡眠環境を整えることができます。また、好きな色でコーディネートしたり、リラックスできる香りのアロマを使ったりすることも可能です。
自分だけの空間を持つことで、心の安らぎやリフレッシュ感が得られ、日々のストレス軽減にもつながります。
1人の時間を満喫できる
夫婦別室にすることのメリットの3つ目は、1人の時間をしっかりと満喫できることです。
たとえば、読書や趣味の時間・リラックスするための瞑想など、自分の好きなことに集中できます。一日の締めくくりに相手に気を使うことなく、思いっきり一人の時間を楽しめるのは幸せなひと時です。
また、1人の時間を大切にすることで夫婦関係にも新たな余裕が生まれ、お互いをより大切に思えるようになるでしょう。
夫婦別室(寝室)にするデメリット4つ
寝室を別にすることには多くのメリットがありますが、当然デメリットも存在します。
お互いの自由な時間や快適さを重視する一方で、夫婦別室がもたらす影響についても理解しておくことが大切です。以下では、夫婦が寝室を別にするデメリット4つをご紹介します。
相手の体調の変化に気づけない
夫婦が別々の寝室で過ごすデメリットは、相手の体調の変化に気づきにくくなることです。
夫婦が別室で寝ることで相手のちょっとした異変や疲れを見逃してしまうことがあり、時には重大な病気を見逃す可能性もあります。
たとえば、心筋梗塞や脳卒中といった病気は、早く気づくことが大切です。発見が遅れると治療が難しくなり、重篤な状態になる危険性があります。
コミュニケーションやスキンシップが減る
寝室は夫婦にとって、2人だけの会話や愛情を感じるのにぴったりの場所です。
寝室が一緒であれば寝る前に会話ができたり、自然に触れ合う機会が増えたりします。
しかし、寝室を別にしたことでコミュニケーションやスキンシップが減り、気持ちのすれ違いが起きる可能性もあるのです。また、一度寝室を別にしてしまうと、いざスキンシップを増やしたくても恥ずかしくて言い出せず、結果的にセックスレスになってしまったという夫婦も多いです。
光熱費が2倍になる
夫婦が別々の寝室を持つことで、電気代・エアコン代などの光熱費が2倍になります。
夫婦別室を希望する場合は、経済的な負担も考慮しておきましょう!光熱費を少しでも抑えたい方は断熱性能を向上させるために、以下のような工夫がおすすめです。
- 二重窓や断熱材の導入
- 隙間風対策
- 断熱カーテンの使用など
浮気のサインを見逃しやすい
夫婦が別室で寝ることはプライバシーを尊重する一方、浮気のサインを見逃すリスクも高まります。
たとえば、寝室でマッチングアプリを使ったり浮気相手と連絡を取ったりしていても、気づくことができません。また、各自のプライベートな空間があることで、相手に対して不安を感じやすくなります。
パートナーがずっと寝室にこもっていると「何をしているのだろう?」と不信感を持つこともあるでしょう。お互いの信頼関係を保つためには、コミュニケーションを大切にし、相手の様子に気を配ることが大切です。
寝室が別でも夫婦円満でいられる間取り
建築士が考える夫婦円満でいられる寝室間取り5つをご紹介します。
夫婦別室にしたきっかけにもなった、いびきの騒音問題や睡眠問題をクリアしつつ、プライバシーも確保できる個室。さらに、お互いの距離が離れすぎないような工夫をした間取りになっています。
ぜひご夫婦にぴったりの間取りを見つけてみてください!
小さめの個室を2つ近い場所でとる
広すぎる個室だと快適でついついこもってしまって、顔を合わせる時間が大幅に減ってしまうということも考えられます。
そのような場合は「広すぎる個室にせず、ベッドとちょっとしたスペースを確保する」というイメージで間取りを作ってみるのも一案ですよ。
さらに、2つの部屋を隣接させておくことで騒音がそれほど気にならず、なおかつ、お互いの存在を感じることができます。
テレワークも視野に入れた個室を構える
最近では、在宅ワークが増えているため、個室を取り入れたいケースもあるでしょう。
部屋通しの間にトイレや収納を挟むなど少し距離をとった間取りを作ることがおすすめです。2つの部屋を離すことで、お互いのオンライン会議などに影響を与えず仕事ができるようになります。
また、ベッドだけでなくデスクと収納スペースを設けることで、さらに快適な生活が送れるはずです。
2人の居室を収納で間仕切りする
距離をとりすぎずにお互い安眠できる空間が欲しい方には、2人の居室を収納で間仕切りするプランがおすすめです。
収納といっても床から天井までの高さで、収納で壁を作るような構造(お互いウォークインクローゼットとして活用できる)にすることで、お互いの騒音や動きに安眠を妨げられることはなくなります。
1つ大きな部屋を作り、間にウォークインクローゼットを作るようなイメージなので、壁がない分、収納の造作はあるものの施工費用も抑えられます。
2人の居室を1F・2Fで設ける
①〜③では物足りない、お互いにしっかりプライバシーも確立したい!という独立心旺盛な方に、やはりこの方法がおすすめになるでしょうか。
また、お互いの生活時間が異なるようなケースでは、①〜③近い距離では安眠対策とはいえないというケースもあるでしょう。フロアを分けることでお互いにしっかりと安眠することができるはずです。
リビング・トイレ・風呂・キッチンと別のフロアで離して個室を設ける
生活リズムが異なる場合には、起きている方の生活音で眠っている方が起こされてしまうのが困るというケースもありますよね。
そのような場合には、生活音が出やすい水回りやリビングとはフロアを分けて、お互いの居室の距離もとって個室を設置するのがベターかも知れません。
【平屋】寝室が別でも夫婦円満でいられる間取り
前章でご紹介した間取りは、平屋では実現が難しい場合もありました。
ここでは、平屋でも取り入れられるプランについてもご紹介したいと思います。
リビング・トイレ・風呂・キッチンと個室のエリアを離して作る
平屋の場合はフロアを分けて作るという事ができないため、極力お互いの生活音でストレスを与えないようにとする場合には、下記のようなプランがおすすめ!
スペースに余裕がある場合は、生活音が聞こえやすいエリアと個室エリアの間に中庭を設けるのも1つの方法です。お互いの居室から中庭を覗けるようにしておくことで、個室とはいえ解放感も得られ、季節の移ろいを感じられるような空間にもなります。
リビングを挟んでお互いの個室を設ける
お互いの生活時間には大きな隔たりがない、でもプライバシーを保てる個室をという場合にはこのような方法もあります。
距離ができるためお互いに趣味の事をしたり、睡眠中に騒音に悩まされるということもありません。
夫婦別室でも円満な関係でいられる秘訣
夫婦お互いの時間を大切にしたいと思う方もいれば、夫婦仲良く同室で過ごすことが大切だと思っている方もいらっしゃるでしょう。
夫婦別室を選んだからといって、離婚率が必ず上がるわけではなく、むしろ仲が深まり安眠効果で心に余裕ができたという場合もあります。
夫婦別室の寝室でも円満な関係でいられる秘訣は「いつもありがとう」とお互い感謝の気持ちを伝えること・定期的にコミュニケーションを取る時間を作ることです。
たとえば、毎晩寝る前にリビングで10分だけおしゃべりするだけで、体調や気持ちを共有でき、思いやりのある関係を保ちやすくなりますよ。
別室にしながら相手を感じられる程よい距離感が良い、別室でお互いの生活音でストレスを与えないように配慮したい、それぞれにあった形を見つけていただく記事となれば幸いです。より良い形をご夫婦で話していただいて、最善の方法で家づくりを楽しんでいただけたらと思います。