高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいって本当 ?
最近の住宅は高気密高断熱化が進んでいますが、その性能故にカビが発生しやすくなるといった事を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
果たして、それは本当なのでしょうか?
今回は、カビが発生するメカニズムから、高気密高断熱住宅は本当にカビが発生しやすいのかといったことや、カビが発生しにくい住宅を建てるためのポイントなどをご紹介していきます。
◆今回はこんな方の為に書いています。
⇒高気密高断熱住宅はカビが生えると思っている方へ
⇒カビの性質を少し知りたい方へ
◆今回の記事を読むとこんな事がわかります。
⇒カビ対策の根本が分かります
⇒気密性(C値)の必要性が分かります
高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいといわれる理由とは
この記事のもくじ
高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいといわれることもありますが、本当なのでしょうか。
今回は高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいといわれる理由について解説していきます!
カビが発生しやすい条件を確認してみます
まずはカビが発生しやすい条件を確認してみましょう。
具体的には、以下のような条件下になるとカビが発生しやすくなると言われています。
・湿度が80%以上
・温度が20-30℃
カビは湿気が大好き。
湿度が80%を超えると活発に繁殖してしまいます。ただし、80%はより活発に活動する一つの目安であり、60%以下でもカビが発生してしまう点には注意画必要です。
また、温度については20~30℃で特に活発に活動します。こちらも、0℃~20℃や30℃~40℃でもカビが発生する可能性はあります。特に湿度80%以上かつ温度が20℃~30℃になるとかなりカビが発生しやすくなるといえるでしょう。
グラスウールにカビが発生しやすい?
高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいといわれる一つの理由に、「グラスウールにカビが発生する」といわれることがあるようです。
グラスウールは断熱材の一種で、主に壁の中に充填施工します。昔の住宅にはよく断熱材としてグラスウールが使われており、気密処理をしていない住宅や袋入りのグラスウールを隙間だらけの状態で押し込むと壁内で温度差が生じそれと共に気流が発生します。その気流に乗って埃が壁の中にあるグラスウールに付着しカビの様に見えるというのが本当の所のようです。グラスウールはそもそもガラス繊維ですのでカビが繁殖する事はありません。
気密性が高いとカビが発生しやすい?
また、高気密高断熱住宅がカビが発生しやすいといわれる理由の一つとして、高気密高断熱であるがゆえに、「湿度の高い空気が換気されずに建物内に留まる」ことでカビが発生しやすくなるというもイメージがあります。
このように、高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいといわれてしまう理由にはいくつかありますが、結論からいうと、これらは誤りです。実際には高気密高断熱住宅にはカビが発生しにくいシステムが取り入れられています。以下で、その理由について見ていきましょう。
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高気密高断熱住宅はカビが発生しにくい理由
高気密高断熱住宅はカビが発生しにくい理由には以下のようなことが挙げられます。
・気密シートや防湿フィルムで壁内結露を防ぐ
・気密性を高める事で計画換気がしやすい
・カビの元になる結露が発生しにくい
それぞれ見ていきましょう。
気密シートや防湿フィルムで壁内結露を防ぐ
先程、壁の中に施工したグラスウールにカビが発生しているように見える事があるとお伝えしました。実はこれはグラスウール自体が問題ではありません。
昔の住宅は現在ほど高気密高断熱住宅が主流ではなく、気密性や断熱性が低かったり、施工がしっかりしていなかったりといったことが多くあります。
グラスウールを利用しているからカビが発生しやすいというわけではなく、建物全体の気密処理のレベルの低さや断熱材自体の施工不良やグラスウールへの知識不足などの理由で壁内に湿気が入り込んでしまい、カビの様に見えてしまっているのです。
この点、高気密高断熱住宅にグラスウールを施工する場合には気密シートや防湿フィルムを施工して、壁の中に湿気が入ることを防ぐのが一般的です。しっかり施工してくれる住宅会社を選べば、高気密高断熱住宅で壁内結露が発生する可能性はかなり低いといえるでしょう。
気密性を高める事で計画換気がしやすい
また、高気密高断熱であるがゆえに湿気が家の中に残ってしまうというイメージの問題に関しては、高気密高断熱住宅は、気密性を高めるので計画換気がしやすいです。計画換気とは吸いたいところから吸って出したいところから出すという事です。
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ストローをイメージすると分かり易いですが、ストローの途中に穴が開いていては思う様に吸えませんよね?それと一緒です。しっかりとした気密工事をしてC値を高めてあげれば計画換気がしやすく、湿気が家の中に滞る心配をする必要はぐっと減ります。
ちなみに、高気密高断熱住宅では全館空調の導入を検討するケースが多くあります。その全館空調も気密工事がしっかりしているからこそ性能を発揮してくれます。どんなに高性能は全館空調システムを導入してもスカスカの家では宝の持ち腐れという事です。
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カビの元になる結露が発生しにくい
さらに、高気密高断熱住宅は窓ガラスやサッシにカビの元となる結露が発生しにくいという特徴があります。結露は、冬の寒い日など暖房の効いた家の中と家の外との温度差により、家の中の温かい空気が窓ガラス越しに冷やされることで発生します。
この点、高気密高断熱住宅は断熱性能の高い窓ガラスとサッシを採用しており、冬の寒い日でも室内の空気が外気の影響を受けることがあまりありません。このため、結露が起こりづらく、結果としてカビも発生しにくいといえるのです。
家の中で発生したカビを放置するとどうなる?
家の中で発生してしまったカビを放置してしまうとどうなるのでしょうか。ここでは、カビを放置すると起こりうる問題として、以下3つをご紹介します。
・健康被害に発展する
・躯体が腐るなどして家の寿命が落ちてしまう
・ダニが大量発生する
どれもこれも最悪や、、、
とーさん
健康被害に発展する
家の中でカビが発生して、それを放置してしまうと以下のようなさまざまな健康被害に発展してしまう可能性があります。(らしいです。)
・アレルギー性鼻炎
・気管支肺アスペルギルス症
・シックハウス症候群
鼻の粘膜に異物がつくと鼻水やくしゃみなどの症状を起こします。花粉症などはこうした反応から起こるものですが、カビでも同様に引き起こされます。また、カビが人体に入り、肺で増殖した場合には「気管支肺アスペルギルス症」が引き起こされる可能性があります。その他、家の中にある建具や家具で発生したカビによるシックハウス症候群などにも注意が必要です。
と言われています、実際オガタは経験した事ないのであくまでも うわさ というレベルで。
躯体が腐るなどして家の寿命が落ちてしまう
壁内結露などによりカビが広く増殖すると、躯体に水分が侵食して腐ってしまう可能性があります。躯体が水分を常に帯びた状態だとシロアリも来てしまうかもしれませんね、、、
結果として、家の寿命が落ちてしまうことになるでしょう。
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ダニが大量発生する
ダニはカビと同様、湿度80%以上、温度20℃~30℃といった環境で活発に活動します。このため、カビが活発に活動する環境のまま放置してしまうと、ダニも大量発生してしまうことになるでしょう。
ダニが大量発生すると咬まれたり、刺されたり、血を吸われたりといった被害が発生してしまい、家の中で快適に過ごしにくくなってしまいます。また、アレルギーや感染症などの可能性もあるため、十分に注意しなければなりません。
高気密高断熱住宅でカビを防ぐためのポイント
最後に、高気密高断熱住宅でカビを防ぐためのポイントをご紹介します。具体的には以下のようなものです。
・断熱性を高める
・気密性を高める
・換気システムを作動させ続ける
・高気密高断熱住宅の実績豊富な住宅会社を選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
断熱性を高める
まずは断熱性を高めることを意識するとよいでしょう。
本記事でご紹介した通り、断熱性が十分でない場合には、室内外の気温差により結露が発生してしまう可能性が高くなってしまいます。
断熱性能を高めるためには、以下のような箇所の断熱性能を高めるようにするとよいでしょう。
・屋根断熱や天井断熱
・床断熱や基礎断熱
・壁材
・窓やサッシ
屋根断熱や天井断熱、床断熱や基礎断熱については、住宅会社や商品によって、どこにどのように施工するかが変わります。あらかじめ、どのような意図で施工法が決めているかなどよく確認しておくとよいでしょう。
また、外壁の壁材によっても住宅の断熱性能が変わります。どのような素材を採用するかはもちろんのこと、住宅のリフォームで断熱性能を高めるのであれば、断熱材を施工し直すのと比べれば、壁材の張替えや外壁塗装の方が手間や費用を抑えて施工できるでしょう。
窓やサッシは直接外気に触れやすい設備であり、ここを断熱性能の高い素材を選ぶことで家全体の断熱性能を高めやすいといえます。アルミサッシを樹脂サッシに変えることで結露しにくくするといったことが可能です。リフォームでも対応しやすい箇所だと言えます。
気密性を高める
気密性を高めることも大切です。気密性が低いと湿気が家の中に侵入してしまいます。
気密性を高めるためには、断熱材の施工時に気密シートを施工したり、気密性の高いサッシを採用したりといった方法が考えられます。
その他、気密性の高さは施工業者に左右されることもある点に注意が必要です。施工完了後は気密性の測定を行っておくと安心だといえます。なお、高気密高断熱住宅でカビを発生しにくくするためには性能の高い換気システムを導入する必要がありますが、気密性が低い状態で換気システムを作動させ続けると電気代が高くなってしまう点にも注意しなければなりません。
換気システムを作動させ続ける
換気システムには第1種換気システムと第2種換気システム、第3種換気システムの3つがありますが、このうち、住宅の場合は第1種換気システムか第3種換気システムが採用されるのが多いです。
第1種換気システムは機械で給気して機械で排気するシステム、第3種換気システムは自然に給気して機械で排気するシステムです。
それぞれのメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
メリット デメリット第1種換気システム 外気の影響を受けにくい 導入コストが高い
第3種換気システム 導入コストが安い 外気の影響を受けやすい
どちらにもメリット・デメリットがありますが、特に高気密高断熱住宅であれば、外気の影響を受けにくい第1種換気システムがおすすめだといえるでしょう。誤解を招きがちですが第3種換気がダメという訳ではありません。
高気密高断熱住宅の実績豊富な住宅会社を選ぶ
高気密高断熱住宅は、どのような気密性や断熱性の高い設備を選ぶことも重要ですが、それだけでは十分ではありません。
特に気密性に関しては、施工会社の技術の高さが求められます。
このため、高気密高断熱住宅の実績豊富な住宅会社を選ぶことが重要です。実際に建てる際に気密測定をするか否かまた、気密測定をした際のた家の気密測定の結果を聞いてみると良いと思います。
まとめ
高気密高断熱住宅のカビ事情についてお話しました。
高気密高断熱住宅はカビが発生しやすいといわれることもありますが、本記事でお伝えしたとおり、それは誤りだといえます。気密性や断熱性、換気性能を高めた住宅であればカビは発生しにくいといえます。
とはいえ、施工会社次第では気密性が十分でない住宅になってしまうといった可能性もある点には注意しなければなりません。高気密高断熱住宅でカビの発生しない住宅にしたいという方は、本記事の内容を参考になさってください。