高気密高断熱の朝の室温はどのくらい?効率よく冷暖房を活用する方法
高気密高断熱住宅に住むと、朝起きた時に室温が最適であれば布団にくるまって寒くて出られない!洗面所に向かう廊下が寒くて身を締めながら走る!といったことはなく、清々しい朝を迎えられます。
しかし、性能が低い住宅では暖房している部屋とそうでない部屋との温度差を廊下、階段、トイレ、お風呂など外気の冷気が入るので感じたことがある人は少なくないでしょう。
断熱・気密は施工会社によってバラバラで窓などもしっかりこだわる必要があるので、高気密高断熱住宅の朝が寒く感じたり暑く感じたりする原因と対策をご案内しますので、最後まで読んでくださいね。
⇒高気密高断熱に住んだ時の朝の気温ってどう?
⇒目覚めのいい朝を送りたい
◆この記事を読むと分かること
⇒季節別の朝の気温や電気代
⇒快適な温度に保つポイント
【季節別】高気密高断熱住宅の朝の室温
この記事のもくじ
高気密高断熱住宅の性能をみるために夜の暖房を止めた状態で朝にはどう変化しているか、朝の室温調査をしてみました。
※部屋の構造や広さなどにより温度差があるので、あくまでも参考程度にご覧ください。
夏の朝の室温
夜のエアコンの設定温度は28℃、室温26℃で一晩エアコンを止めて就寝すると、翌朝7時に計った室温はおおよそ25℃程度でした。
猛暑日でも夜から朝にかけて気温は下がり外気温が25℃以下となりますが、高性能な高気密高断熱の家は外気温の影響を受け難いので、夜からの25~26℃は維持したまま。
朝の外気温が低くなるほど、夏の朝は室温の方が高いので家の中が暑く感じてしまいやすいです。
冬の朝の室温
夜のエアコンの設定温度は23℃、室温は25℃で一晩エアコンを止めて就寝すると、翌朝7時に計った室温は15〜23℃でした。
寒冷地のデータもあったのですが、無暖房でも平均15℃くらいは室内温度をキープしていることがわかりました。
高気密高断熱住宅の平均的な電気代
高気密高断熱住宅の冷暖房費はお得になります!
専門家による最新の研究結果によると、1980年当時の省エネ基準適合の住宅の冷暖房費はおおよそ年間17.8万円なのに対し、高気密高断熱住宅の冷暖房費はおよそ5.1万円ですので約12.7万円ほどコストダウンにつながっているのです。
高断熱住宅に必要な断熱の初期費用はグレードにもよりますがおよそ100~200万円前後です、住宅の断熱を強化した場合だと冷暖房費を抑えられる可能性があります。長く住むほど高断熱高気密住宅の冷暖房費はお得になるということがわかりますね。
高気密高断熱が暮らしにもたらす効果
高気密高断熱が私たちの暮らしにもたらす効果は多くあります!
近畿大学の岩前教授の研究結果によると、断熱住宅に引っ越した3万5千人が「気管支ぜんそく」「アトピー」や「アレルギー性」の15の症状に改善したという結果がわかりました。
画像引用:断熱住宅.com
アトピーは着用する衣服が減るとアトピーの引き金となる衣類からの刺激が小さくなります。部屋全体を適温に保ちやすい高気密高断熱は厚着をしなくてもいいのは大きな特徴です。
他にも、室内と室外の温度差によって生じる結露の発生も抑えられるのでカビ、ダニも出にくくなり「気管支ぜんそく」や「アレルギー症状」も改善されるという結果につながっています。
冬に暖かいリビングからお風呂に入るために脱衣所へ移動して、衣服を脱いだ瞬間に「ぶるっ」と寒さを感じた方も多くいるでしょう。
浴槽と脱衣所に温度差があると、体の表面温度は急激に下がり、血圧の乱高下や脈拍の変動が起こりやすくヒートショックといった状態にもつながりますが、室内の温度差を無くすことで事前に防ぐことができます。
湿気に左右される傾向が少ない高気密高断熱住宅は、夏は涼しくベトベトせずに快適に過ごしやすいです。防音効果にも優れているため外の車の音なども遮ることはもちろん、家の中の子供の声、ペットの鳴き声なども気にすることなく暮らせるのも魅力の一つですよ。
高気密高断熱住宅なのに暑い・寒いのはなぜ?
高気密高断熱住宅は断熱・気密性が高く、暑い夏も寒い冬も外気温に左右されることなく室内は快適な温度に保ちやすいのが特徴です。しかし、性能の高い住宅でも冬は寒い、夏は暑いと感じてしまうケースがあるので以下で対処法とともに紹介していきます。
夏暑い原因と対処法
高気密高断熱の家は夏暑いと言われたり、熱がこもったりするのではないかと言われることがありますが、原因は窓から入ってくる太陽の日差しです。
高気密高断熱であっても積極的な日射遮蔽をおこなわなければ室温が上昇しやすく、結果として「2階が暑い」となってしまうリスクがあります。
夏の暑い日差しを上手にカットする方法は下記の通りです。
- 屋根を出す
- 雨戸をしめる
- すだれをかける
- 庇(ひさし)を設ける
- 植物を植えてグリーンカーテンを作る
- 遮光カーテンやブラインドを取り付ける
- 外付けブラインドや外付けシェードを取り付ける
高気密高断熱住宅で日射遮蔽を適切に行えば、基本的にはエアコン1台で家中どこにいても過ごしやすい温度が保てます。
冬寒い原因と対処法
高機能高断熱住宅でも冬に寒いという原因は外壁や床、屋根、天井、窓サッシの断熱性が不十分な場合です。
断熱性が低いと、お風呂や脱衣場を家の北側にすると寒さを感じてしまいます。
吹き抜けがあると寒くなりがち(設計と施工による)ですが、断熱性能と暖房能力が低い点をしっかりとカバーすることができれば、吹き抜けのある開放的な空間でも冬は暖かく過ごすことが可能です。
吹き抜け上部の窓を小さめにし、天井にシーリングファンを取り付けて室内の空気を上手く循環させることで、室内の上部は暖かいのに下部は寒いといった室内の冷えを改善できます。
効率よく冷暖房機器を活用する方法
高気密高断熱住宅ではエアコンを効率よく活用すると、電気代の節約にもつながります。
エアコンには「〇畳用」と適応畳数が表示されていますが、適応畳数のまま購入するのはおすすめしません。
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理由は最近の高気密高断熱住宅に適応畳数通りのエアコンを選ぶと性能が高すぎてオーバースペック。家の断熱性能が分かればエアコンの必要なKw数を知ることができますので是非シミュレーションをしてみてください。
また、大きいパワーを使う分電気代がかかる可能性があるのでシミュレーションしてからサイズを選ぶのを推奨します。
設定温度は人それぞれに好みがあるので一概には言えませんが、夏場は27℃、冬場23℃程度を目安にしてみるといいでしょう。
電気代の高騰や省エネ意識が高まるなか、24時間運転に抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。エアコンは冷房時も暖房時も目標温度を達成すると自動運転の場合は切り替わり、電気はあまり消費していません。
電気代を上手に節約できると家族で外食に行けたり、旅行資金の足しにできたりしますよ♪
まとめ
高気密高断熱でいい家だとしても、何もしなければ朝は暑い寒いと外気の影響を受けるものです。やせ我慢をして体調を体調不良を招くより、暑い・寒いの原因や対策を知っておくことは大切です。
デザインや機能と違って、快適性は目に見えるものではありません。
当記事で紹介したポイントを参考にして家づくりや快適な暮らしに役立ててみてください。