サンルームは後付けできる?【種類・固定資産税・建蔽率・メリット/デメリット】
「雨が降っても洗濯物を干せるスペースがあったらいいな」
「子どもが友達を連れてきても、リビング以外で遊べる場所を用意しておきたい」
「仕事もあるから急な雨でも洗濯物の心配がいらない生活をしたい」
このようなお悩みを抱えているなら、サンルームを検討してみてはいかがでしょうか。
新築時であれば室内物干し場を設計当初に盛り込んで計画を進めていく事は可能ですが、住みだしてからでは、、、もう遅い。諦めるしかないのか、、、と思う前に。
サンルームは後付けも可能です。コンクリートで基礎を作って施工するサンルームなら、強風・台風でも安心!ここではサンルームの種類や、固定資産税・新築した場合と後付けした場合のメリットも解説します。
サンルームを作るかどうか、作った場合どのようなことを気を付けておくべきか、どんなサンルームが良いか、選ぶ際の基準になりますよ。
⇒安心して部屋干しできる生活がしたい
⇒サンルームを作った場合の税金のことを知りたい
◆この記事を読むと分かること
⇒最適なサンルームが選べる
⇒サンルームを設置する場合に知っておくべきことがわかる
サンルームとは
この記事のもくじ
サンルームとは、西洋家屋でのコンサバトリー(屋内外をつなぐ、一面をガラスで囲った多目的スペース)から派生したもので、庭の一部を屋内化したスペースを指す建築物です。海外では温室として使われたり、貯蔵庫として使う事あるほど大きなスペースである場合が多いですが、日本生まれのサンルームはそれより小規模。
サンルームは室内干しスペースとして使われることが多いですが、第2のリビングとして、お子さまの遊び場として活用される事例もあります。また、基礎から立ち上げるしっかりとした構造であるのも特長です。
テラス囲いとサンルームの違い
サンルームと混同されがちなものとして、「テラス囲い」があります。
中には、「サンルームです」といって「テラス囲い」に分類できる商品を紹介しているケースもあるので、構造の違いをチェックして確認しましょう。
テラス囲いを簡単に説明すると、「サンルームのように基礎から立ち上げるのではなく、壁部分に足がついて地面に固定されているサンルーム様のもの」です。
施工期間が後付けした場合のサンルームよりも短く、コストも押さえられ、自治体によっては固定資産税対象外となることもあります。
サンルームとテラス囲いで悩んだときのポイント
『固定資産税をかけず、簡易でもよいからサンルームのようなものが欲しい』のであれば、サンルームではなくテラス囲いが良いでしょう。
テラス囲いにすると、相場としてはサンルームを後付けするより規模によりますが20~25万円ほどコストダウンできます。
サンルームはコンクリート基礎工事を行うため、しっかりと地面に固定できるのが強みです。また、地面と隙間なく施工できるので、気密性・水密性が優れているのもポイントです。
台風や降雨量の多い地域にお住まいであったり、自然災害時に水が入ってしまうようでは困る、ということであればサンルームを選ぶと良いでしょう。
パッと見て テラス囲いは床下が空いている。サンルームは基礎が建ち上がっている。そんな違いがあります。
サンルームとランドリールームの違い
サンルームは屋外のスペースを一部屋内化したスペースです。
対してランドリールームは、洗濯に関する家事を済ませるために設ける部屋です。
使い方は各ご家庭ごと異なるものの、『洗濯する⇒干す⇒畳む⇒しまう』を1か所でできるようにすることで、家事導線を最適化しようというもの。サンルームは後付けも可能ですが、ランドリールームを後付けとなると、リフォームが必要になります。
サンルームとランドリールームで悩んだときのポイント
『とにかく家事にかかる時間を短縮したい!!』というご家庭では、ランドリールームを設けることで家事時間の短縮ができます。はずです。。
お仕事で帰りが遅くなることが多い、日中忙しすぎて取り込むのも忘れてしまう、という場合はランドリールームがあることで、空いた時間に洗濯物の処理ができます。
ランドリールームでなく、サンルームの設置がおすすめなのは、以下に該当ポイントが多い方です。
- 洗濯物を室内干しする場所が欲しいだけ
- 室内干しするスペースは欲しいけど頻度は低い
- 子どもの遊び場を増やしたい
- 外の景色を見てくつろぎたい
「梅雨・花粉・黄砂といったシーズンや、雨の日くらいしか室内干しはしない。でも明るくて外の景色も見えるけど安心感のあるスペースを拡張したい!」
というご希望を叶えるなら、サンルームは最適解といえます。
サンルームは新築時でも後付けでも可能?【費用・施工期間】
サンルームは新築時に設けることはもちろんできますが、後付け施工も可能です。
後付けする場合、コンクリートで基礎を立ち上げるところからスタートするため、施工期間は1週間以上かかることもあります。費用の相場は50~80万円ですが、どのようなタイプを選ぶかにより費用は大きく変わります。
ランドリールームについてもしっかり把握しておきたい!という方は、別記事:家事導線に優れたランドリールームのある間取り計画のコツ【メリットデメリット・失敗例・広さ】で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
サンルームを新築・後付けするメリット比較
サンルームを後付けで増築するのは、一般的なリフォームと比較すると気軽にできます。
また居室内でのリフォームではないため、「施工中は外が見えない・常に人がいる」というのが気にならない場合は、必要になってからの後付けでも問題ないでしょう。
新築時に併せて作るか、後付けするかお悩みの際には、新築時に作るメリット・後付けするメリットを以下にまとめましたので、それぞれ比較して検討してください。
新築時にサンルームを作るメリット | 後付けでサンルームを増築するメリット |
---|---|
家の外観にあったサンルームにできる | 新築時の費用は抑えられる |
後付けと比べ施工期間中の心理的負担がない | |
外壁が保証対象外になる心配がない | |
建蔽率オーバーで保険に入れない心配がない |
サンルームを後付け増築する場合には、家の外壁に穴を開けたり、ビスを打つ必要が出てきます。そのため、「故意に損傷させた」ことになるため、家を建てたときの保証がきかなくなる可能性もあるので注意しましょう。
またサンルームは増築扱いとなるため、建蔽率も増えてしまうことに。建蔽率が基準値をオーバーすると、地震保険・火災保険に入ることもできなくなります。
サンルームを後付け・新築した場合の固定資産税について
サンルームを後付けする場合は、増築扱いとなるため固定資産税がかかります。参考までにご紹介すると、固定資産税の課税条件は以下の3つの条件をクリアした場合です。
- 天井がある
- 3方向以上が壁・ガラスで囲まれている
- 一番高い天井高が1.5メートル以上ある
上記の全てに該当すると固定資産税が課税されるため、一般的なサンルームは固定資産税がかかることになります。また一般的なサイズのサンルームを設けた場合の固定資産税は1~2万円です。こちらもコストとして見込んでおくと良いでしょう。
後付けサンルームの種類
サンルームを後付け・新築する場合、どのようなタイプがあるか見てみましょう。庭に作る一般的なものと、ベランダやバルコニーにサンルームを設ける場合それぞれご紹介します。
庭にサンルームを作る場合
庭にサンルームを作る場合、以下のようなタイプのサンルームが検討できます。
- 全面ガラスのタイプ
- 壁の上部はガラス・下は壁のタイプ
- 庭側からも出入り可能なタイプ
- 居室側には壁を設けないタイプ
サンルームをお子さんの遊び場、第二のリビングとしても使いたい、という場合には①のタイプよりも、プライバシーも確保できる②のタイプがおすすめです。
お子さんの遊び場として、庭とサンルームを提供することを検討されていらっしゃるなら、③のように庭のほうからも出入りできるようにしておくのも良いでしょう。
実際にある事例として、お子さんが友達を連れて遊びにくるものの、家族が気にせずくつろげるよう、庭やサンルームで遊んでね、とする例もあります。
リビングを広くしたい、アウトドアリビングにも近いスペースが欲しい、ということであれば④のタイプが良いでしょう。
ただしこの場合、既にある外壁・内壁・床にも手を加えるリフォームが必要になるため、後付けするよりも新築時に作ってしまうほうがスムーズです。
先にもお伝えしたように、後付けすると特にこのタイプは既存部分への手入れが多くなるため、保証対象外になってしまうリスクも大きくなります。
個人的には新築時に併せてご依頼いただくのが、外観・内観ともにご満足いただける仕上がりにもしやすくおすすめではあります。後付けする場合には、新築した際の工務店・ハウスメーカーを通して依頼することで、保証されないリスクも軽減できるでしょう。
ベランダ・バルコニーにサンルームを設置する場合
マンションや、戸建てでも庭スペースがかなり限られてしまう場合には、ベランダやバルコニーにサンルームを設けるケースもあります。(先にご紹介したように、この場合厳密には基礎から作るものではないこともあり、サンルームというよりも「囲い」といったほうが正確です)
この場合、ベランダやバルコニーの壁の上部分に設置することになります。規模が小さいため施工期間も短く済みます。広いバルコニーであれば、一角をサンルームとして活用する方法も選べるでしょう。
サンルームは後付けできるが固定資産税の増額・保険・保証も要検討
サンルームは後付けできます。ですが、既存部分にも手を入れることになるため、保証対象外となるリスクがあること、建蔽率基準値をオーバーすると保険に入れなくなることも検討しておきましょう。
一言にサンルームといっても、上でご紹介したようにいくつかの種類があります。サンルームをどのように活用するのかご家族で相談していただき、最適なサンルームを選んでいただければ、家族の時間を更に豊かなものにすることもできます。
サンルームは後付けも可能ですが、新築時に作ることで様々なメリットがあることもお伝えした通りです。もしこれから新築しようとされているのであれば、本当に後から必要になったらで良いのか、やっぱり新築するときに作る方が良いのかも検討してみてくださいね。