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LCCM住宅の補助金は最大140万円|ZEHとの違い・基準・制度のわかりやすい解説

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「ZEH住宅より補助金が出るらしいけど、LCCMって補助金はいくらなの?」

「最近よく聞くZEHとLCCMって何が違うの?」

ZEH住宅については認知度は向上してきていますが、LCCM住宅はまだそれほど認知はされていない印象。とはいえ、国は今後ZEH住宅と併せて建築数を増やしていきたいと考えているようです。

 

なぜ国はLCCMを推すのか?

 

それは…ZEHと同等水準の家を、建築時・廃棄時も含めて排出するCO2を削減することが認定基準となるため、SDGs推進の為にも必要と考えているからです。

別の記事でZEH基準は今後の新築時の必須の基準となることをお伝えしていますが、LCCMも10年後には当たり前になっているかもしれない、という見方もあるほどです。LCCM住宅は今、最も多額の補助金が交付される住宅種類。当たり前になってしまってからでは制度が変わってしまう可能性もあります。

 

そうなる前に、今LCCM住宅を建てようか考えていらっしゃる未来の施主様には、補助金が交付されるLCCM住宅整備推進事業についてご理解いただきたく、ここにまとめました。

 

ここではLCCM住宅とは何かも併せて解説しています。LCCM住宅新築時に受け取れる補助金について、またどのような家が建つのかの事例も併せてご紹介しますので是非ご覧ください。

◆こんな方におすすめの記事
⇒補助金を受け取って少しでも家の購入費を抑えたい
⇒LCCM住宅・補助金とは何か知りたい
◆この記事を読むと分かること
⇒LCCM住宅について理解しZEH住宅などとの違いがわかる
⇒受け取れる補助金制度の詳細がわかる

 

LCCM住宅補助金とは|LCCM住宅整備推進事業

住宅とエネルギー
通称LCCM補助金と呼ばれているLCCM住宅整備推進事業は、国土交通省がSDGsの一環として推し進めている事業の1つです。この制度はZEH以上に地球環境に配慮したLCCM住宅を新築しようとする方に補助金を交付するというもの。リフォームでも補助金が交付される子育てエコホーム支援事業とは異なり、新築もしくは竣工3年以内の住居に限定して最大140万円の補助金が交付されます。

 

令和5年度までとは異なり令和6年度からは、一般社団法人環境共生住宅推進協議会に申請先が変更されていますが、管轄は国土交通省で変わりありません。

 

LCCM住宅の補助金額

LCCM住宅新築時に受け取れる補助金は上限額を140万円として、以下の2つの項目にかかった費用の合計の1/2までを補助金として受け取れます。

  • 設計費に該当する費用
  • LCCM住宅として建築する際にかかる割増費用

割増費用とは、「LCCM住宅として建築するにあたり、一般的な住居より嵩んだ費用」のことです。

 

LCCM住宅補助金交付を受ける基準

LCCM住宅整備推進事業で補助金を受け取れる、LCCM住宅であると認められるには、以下の基準を全てクリアしなくてはなりません。

基準 内容
新築の戸建住宅 リフォームなどでなく新築であること
強化外皮基準 4~7地域の場合で0.6[W/㎡K以下
※地域区分により異なる
一次エネルギー消費量 再生可能エネルギーを除き基準から25%以上削減した住宅である
再生可能エネルギー 導入必須
エネルギー消費削減 再生可能エネルギーを含めて基準から100%以上削減
LCCO2 LCCO2が0以下
(LCCO2:建築段階・住居使用段階・廃棄段階のCO2排出量の合計)
※当基準値の算出には以下の方法を使用すること
・適合判定ツール
・CASBEE-戸建(新築・2018年版・2021年SDGs対応版
品質基準 CASBEEのB+ランク以上
※CASBEEとは、建築物の環境性能を評価するシステム
Sが最も高く、高い方から順にS、A、B+、B-、Cと評価される
事業着手 年度内に設計・着工開始する
立地条件 土砂災害特別警戒区域に立地しない

 

LCCM住宅補助金の申請方法

LCCM住宅整備推進事業の申請を個人で行うこともできますが、たいていは建築を請け負うハウスメーカーや工務店が行います。また令和6年度からLCCM住宅整備推進事業の申請には、経済産業省が運営する補助金電子申請システム「jGrants」を利用した申請方法になりました。

 

申請するには、gBizID(複数の行政サービスに1つのID・パスワードでログインできるアカウント)の事前登録が必要です。

申請ページURL:https://www.kkj.or.jp/lccm-seibi/index_r5saitakusya.html

LCCM住宅整備推進事業の問い合わせ先

一般社団法人 環境共生住宅推進協議会 省CO2先導審査室

  • 所在地:〒162-0824 東京都新宿区揚場町2-21 東ビル6F
  • 電話番号:03-6228-1410
  • 電話受付時間:10:30~16:30(平日のみ/年末年始除く)
  • 公式問い合わせフォームはこちら

LCCM住宅補助金は他の国の補助金制度と併用できない

財源が国庫となるLCCM住宅整備推進事業は、他の国の補助金制度との併用は、残念ながらできません。

あとで紹介する、地方自治体が行っている支援制度との併用は可能ですので、併せてご覧ください。

 

【わかりやすく簡単解説】LCCM住宅とは

LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは、長寿命でZEH住宅以上のCO2削減を目標に、住宅の建設時・運用(居住)時・廃棄までの一生涯、つまり住宅のライフサイクルトータルでCO2の収支をマイナスにする住宅を指します。

 

生活時のCO2排出量の増加だけでなく、建築時のエネルギー消費量増加に伴うCO2排出も、地球温暖化を食い止めるための大きな課題となっています。

 

そのため国は今までの省エネ基準 ⇒ 認定低炭素住宅 ⇒ ZEH住宅と基準を高めて行ってきた住宅における環境対策を更に一段階引き上げようということで、LCCM住宅整備推進事業を立ち上げたのです。

LCCM住宅とZEH住宅の違い

ZEH住宅とLCCM住宅
画像引用元:ご注文は省エネ住宅ですか|国土交通省

生活における電気・ガス・石油といった一次エネルギー消費量を実質0として脱炭素社会を実現しようとするものがZEH住宅です。それに加えて建築時・取り壊し廃棄する際も脱炭素に繋がる家がLCCM住宅です。

 

「家」そのものの一生(ライフサイクル)でみて、脱炭素となるよう配慮されたものがLCCM、生活する際の脱炭素に配慮したものがZEHと覚えておいてください。

 

ZEH住宅やZEH住宅建築で交付される補助金制度も知りたい場合は、別記事:ZEH補助金について徹底解説【ZEH住宅は本当にオトク?補助金額・該当条件・加算要件・3つの支援事業の違いと自治体独自の支援】も併せてご確認ください。

 

LCCM住宅・ZEH住宅・一般的な住宅建築時のコストの違い

一般的な住宅と比較すると、200~300万円ほど高くなるといわれるZEH住宅の、更に上の基準で建築されるのがLCCM住宅です。

 

LCCM住宅とZEH住宅を比較すると、LCCM住宅のほうが坪単価10万円前後の費用がかかるのが、相場と思っていただくと良いでしょう。平均的な30坪の住宅とした場合、LCCM住宅建築の相場は2,100万円(坪単価70万円前後)です。価格が高くなる分、ZEH住宅以上の補助金が交付される、ということですね。

 

LCCM住宅を新築するメリット・デメリット

LCCM住宅を新築するメリット・デメリットを、表にまとめたのでご覧ください。

メリット デメリット
CO2排出量をマイナスにできるため地球に優しいことをしている実感が持てる 建築費用が高くなる
電気代・ガス代が大きく削減できる 気になるメーカー・工務店がLCCM住宅建築に対応していないこともある
優れた断熱性能で夏・冬でも家の中で快適に過ごせる デザイン・間取りに制限がかかってしまう場合もある
エアコンをつけっぱなしにせずすむので、健康的に過ごせる
家を売却するときの資産価値が高くなる

LCCM住宅を建築するメリットはご覧いただくとわかるように、住み心地が良くなり、生活費の無駄を削減できることです。将来的に売却することを考えると、資産価値が高まる、というだけでなくLCCM住宅が当たり前となってしまう未来も想定されていますから、「売れなくなる」といった事態も避けられるのではないでしょうか。

 

対してデメリットは、というと建築費用は先にもお伝えしたように高くなること、デザイン・間取りに制限がかかってしまう点が大きいでしょう。規定の発電量を実現するため、太陽光発電を設置する屋根の角度・形状・大きさなどは変更できない場合も多くあります。そうなれば当然間取りにも間接的に制限がかかること、蓄電池や給湯システムなどの導入で設置場所を確保しなくはならないことなどもあります。

 

地方自治体の補助金制度はLCCM住宅整備推進事業と併用できる

国(国土交通省)が行っているLCCM住宅整備推進事業で補助金と、地方自治体の行う支援事業は併用できます。

 

地方自治体の支援制度は全ての自治体で行っている物ではありませんが、お住まいになるエリアの自治体で詳細をご確認ください。以下はいくつかの地方自治体が行っている支援制度です。

地方自治体 支援制度の名称 支援内容 申請条件 補助金額 申請方法 詳細情報
東京都 低炭素建築物認定補助金 LCCM住宅の認定に必要な費用の補助 都内に新築・改築するLCCM住宅 最大100万円 オンライン申請 東京都公式サイト
大阪府 省エネ・低炭素建築支援補助金 省エネ技術導入の補助 府内の新築・改築のLCCM住宅 最大80万円 郵送または窓口申請 大阪府公式サイト
神奈川県 かながわエコ住まい支援補助金 低炭素技術導入の補助 県内の新築・改築のLCCM住宅 最大90万円 オンライン申請 神奈川県公式サイト
愛知県 あいちエコ住宅支援補助金 エコ住宅の普及促進のための補助 県内の新築・改築のLCCM住宅 最大70万円 郵送または窓口申請 愛知県公式サイト
福岡県 福岡グリーン建築支援補助金 低炭素建築物の普及促進のための補助 県内の新築・改築のLCCM住宅 最大75万円 オンライン申請 福岡県公式サイト

 

LCCM住宅新築時の注意点

LCCM住宅を新築する場合、メリットと併せてお伝えしたデメリットについて把握しておくことは重要です。

あわせて、「LCCM住宅の補助金交付を受けたら、10年間は自由に譲渡・売却してはいけない」という定めもある点に留意してください。

これはLCCM住宅整備推進事業に限らず、国庫で賄われる他の支援事業にも共通しています。

LCCM住宅の建築事例

中立の立場から住宅・建築・都市開発の技術開発などを研究する、国立研究開発法人 建築研究所のLCCMデモンストレーション住宅を例にご紹介します。(建築研究所は国土交通省の指示のもと、研究を行っている機関です)

季節により衣替えをするように変化し快適に住まえる

LCCM住宅

画像をみていただくと、これで高断熱?!と思ってしまうような開放感に驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に注目していただきたいのは、ガラス面内側の木製のルーバーの存在です。高断熱な建築とあわせ直射日光が厳しい時期にはルーバーを下げ、窓を開けて、涼しく快適に過ごせる工夫がなされています。

 

日照時間が短く寒い冬には、ルーバーを閉じて日の光を取り入れつつ、暖かく暮らせるということですね。

 

また、この画像をみていただくと立地によって異なるものの、どれだけ多くの太陽光パネルを屋根にのせるかも把握していただけます。

家の中に新鮮な空気を取り入れやすくするため、換気塔も設けられつつ、エアコンも高効率で使えるよう配慮された設計です。

 

リビングは自然な明るさで心地よく

リビング

上の画像:ルーバーが締まった状態

下の画像:ルーバーを開けた状態

リビング

この画像をみていただくとルーバーが開口より内側にあることがわかります。この構造により、自由に手軽にルーバーの開け閉めができるということですね。

 

もちろんルーバーは必須ではありません。他の方法で同様の性能を出せればよいわけで、こういった工夫もできる案、としてご覧ください。

 

LED証明をおしゃれに取り入れ

リビング

性能ばかりを重視して建てた家ではおしゃれさは求められないのでは?という懸念を持たれる方もいるのではないでしょうか。

LCCM住宅では照明はLEDを使用しますが、画像のようにLED照明も様々なタイプが販売されており、LEDに絞ってもおしゃれな空間にすることは十分に可能です。

 

季節や住まい方にあわせた自由に変更できる間仕切り

リビング

2階の主寝室(左)と子供室。中央上の開口部は通風塔につながる

 

冷暖房効率を考えると、開放的すぎる間取りはあまり良いとは言えないことは想像に易いでしょう。ですが、通風性を高めるという観点からは開放的な間取りはむしろ大歓迎。

 

またお子さんが小さいうちは部屋の間仕切りは不要でも、成長すると「個室がいいな…」ということもあります。友達が遊びに来て、自分たちだけで遊びたいというときもあるでしょう。

この画像のように、壁を設けず可動式で収納可能な間仕切りを設置することで、こういった課題を一挙解決できますね。

 

室外に設置する設備|給湯機・家庭用燃料電池など

住宅

この画像をみていただくと、室外に設置する設備についてご確認いただけます。ヒートポンプ給湯器・家庭用燃料電池が設置されていますが実験用として設置されたもの。実生活を送る上ではどちらかを設置すればOKです。

 

先のルーバーなどがあったのが建物南側でしたが、この画像は建物北側です。南側と比較して開口は少なく小さいこともお分かりいただけるでしょう。換気効率のため、また夏場に北側の涼しい空気を取り入れるためには北側窓も必要ですが、大きくしてしまうと冬場にはデメリットにもなります。LCCM住宅としての基準をクリアするための工夫です。

まとめ

今の地球環境だけでなく、これから先の地球を守ることにも繋がるLCCM住宅。今はまだ少数ではありますが、ZEHが普及したら次の時代の当たり前が、LCCM住宅になっている可能性も十分にあります。

 

一般的な住居、ZEH住宅と比較すると建築コストはかかってしまうものの、その分補助金がでるのもLCCM住宅です。

もし先のことも考えて、「今家を建てるならLCCMで良いかな」とお考えになるのであれば、こちらでご紹介した補助金制度もぜひ活用してください。

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