ZEH補助金に必要なBELSのわかりやすい解説|評価基準と項目・取得メリット
「家を建てようと思って色々見ていたら、BELSってあるけど、一体何?」
「ZEH住宅を建てるにはBELSが必要なの?そうじゃないの?」
建築業界には一般的な目線では何なのか想像もしずらい用語が多いです。中でも最近色々なところで目に付くけれどわからない、「BELS(ベルス)」について詳しくご紹介します。
BELSとは、SDGsでみなさんの意識が高まってきている地球環境保護や生活コスト削減に繋がる、エネルギー効率の高い建物を目指すための重要な指標の1つとなるもの。
今後ZEH基準が新築住宅の必須条件となることを受け、将来的にはLCCMなど建築時・廃棄時を含めた環境に優しい建物を建てることが推進されていくことも予想されます。BELSの評価を受けると、もし『家を売る』となったときにも資産価値が高まりやすく、買い手が付きやすくなることもあるでしょう。
この記事では、BELSの基本情報・評価基準・メリット・ZEH補助金との関係も含め、わかりやすく説明します。ぜひ最後までお目通しください!
⇒BELSとは何か、どんな利点があるのか知りたい
⇒将来手放す時にも資産価値の高い家を建てたい
◆この記事を読むと分かること
⇒BELSとは何か、どんな建物を建てればよいか、建築コストはどのくらいかわかる
⇒BELSを取得することでどんなメリットがあるのか理解できる
BELSとは
BELSは国土交通省が推進する制度で、新築のみでなく既存の建物に対しても評価ができます。実際の建物でなく、申請書・設計図・各種計算書をもとに、それぞれの項目の性能を評価するもの。
実際の評価・BELSの運営は一般社団法人住宅性能評価・表示協会が請け負っています。建物のエネルギー消費性能を分かりやすく見える化することで、エネルギー効率の高い建物の普及を促進するのが、BELS創設の目的です。
BELS評価書|記載される項目と内容
BELSの評価を受けると、以下のようなBELS評価書というものが発行されます。
画像引用元:一般社団法人住宅性能評価・表示協会
BELSマークに表示される数値や評価内容詳細・評価方法も確認できます。
BELSマーク|表示項目・評価基準
BELSの評価を受けるとBELSマークは以下です。
画像引用元:一般社団法人住宅性能評価・表示協会
画像に表記されている各項目や基準など、詳しくチェックしていきましょう。
①★マーク:BEI(基準一次エネルギー消費量)により異なる
★マークの数は、基準一次エネルギー消費量を示す「BEI(ビーイーアイ)」を基準に、以下の要領で決まります。
星の数 | 基準 | 備考 |
---|---|---|
★★★★★ | BEI ≦ 0.8 | ZEH基準 |
★★★★ | 0.8 < BEI& ≦0.85 | |
★★★ | 0.85 < BEI ≦ 0.9 | 誘導基準 |
★★ | 0.9 < BEI ≦ 1.0 | 省エネ基準 |
★ | 1.0 < BEI ≦ 1.1 | 既存の省エネ基準 |
②この住宅の設計一次エネルギー消費削減率
この住宅がどれだけの一次エネルギー消費を削減できているのかを明示するため、表示されます。
削減率=(1-BEI)×100で計算して、表示されるものです。
③設計一次エネルギー消費量
この項目は、提出資料をもとに設計・基準一次エネルギー消費量を記載しています。
④一次エネルギー消費量基準への適合有無
適合、と表示されるものは「一次エネルギー消費量」・「外皮性能の建築物エネルギー消費性能基準」に適合している場合です。
どちらか一方だけが基準を満たしても「適合」とは表示されません。
この場所に適合、と表示された住居は断熱性能が高く、一次エネルギ消費量も少ない家ということになりますから、『無駄な電力を使うことなく年間通して快適に住まえる家』、ということになりますね。
⑤外皮基準
外皮基準は住戸のUA値かηAC値のどちらかを選び、表示できる部分です。
UA値とは、外皮平均熱貫流率とも呼ばれる数値で、わかりやすくお伝えすると「家の窓・屋根・外壁から室内の熱が、外にどれだけ逃げるか」を示しています。UA値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。
ηAC値とは、窓から直接入る日光熱、窓以外から熱伝導で室内に入ってくる熱を数値化したもので、数字が小さいほど冷房効率が高い家である、ということになる数値です。
⑥各種マーク(希望した場合のみ)
ZEHマーク取得済みでゼロエネ相当の家の場合、『ZEH住宅』の表示が入ります。
ゼロエネ相当でなくZEHマーク取得済の家の場合は、『Nearly ZEH住宅』と表示します。
ZEH基準で建築された建物に対しては★マークも最高評価の5つが獲得できるので、資産価値を高めるのに非常に効果的です。
BELSで評価を受ける3つのメリット
BELSで評価を受けると、どんなメリットがあるのか見てみましょう。
第三者による信頼性の高い評価を受けたことを明示できる
建売住宅などでもよく「家は耐震等級3相当ですよ~」と記載されているケースも散見されますね。こういった表記をみて、「独自に行った?かもわからない評価って信用してよいのだろうか…」と疑問を持たれる方もいるのでは。
例えば、過去に書いた記事耐震等級3相当って何?を見ていただけるとわかりますが、信用してはいけない場合もあるのです。
その点、BELSは国土交通省が推進し、第三者機関の評価を受けるものなので安心して信用できるものと考えてよいでしょう。
ZEH補助金の申請にもBELS評価書が使える
国土交通省が行っているZEH支援事業で補助金を受け取る場合、BELSの評価を受けることが必要になります。
補助金申請の際に求められる「省エネルギー性能表示評価書」がBELS証明書ですから、補助金交付を受けたい場合には忘れずにBELSの評価を受けましょう。
参考情報:ZEH支援事業公募要領|一般社団法人環境共生イニシアチブ※ZEH支援事業を請け負っている事業者
また、ZEH補助金について詳しくは過去記事:ZEH補助金のわかりやすい解説|ZEH住宅はどれだけオトク?併用できる?【加算要件・自治体独自の支援】にまとめています。ZEH補助金はいくらなのか、どんな家を建てれば良いのか、建築コストはどのくらいかかるのかチェックしたい方はぜひ併せてご覧ください。
ZEH補助金以外にも、省エネ性能に優れた家を建てることで恩恵が受けられる補助金制度もあります。その他の補助金制度については過去記事:家の新築で補助金100万円?!補助金一覧 【ZEH/LCCMなど・フラット35金利引き下げ】にまとめていますので、こちらもご覧ください。
素人が見ても家の省エネ性能が理解できる
BELSマークを見れば、素人でも「この家がどれだけ省エネ性能に優れた家なのか」がわかります。売却するとなった場合にも、ぱっとみてわかるからこそ、BELSマークを取得していない家よりも地球にも財布にも優しい家だということがアピールできますね。
またBELSマークにある赤から緑のグラデーションになっている横軸の棒グラフを見ると、左(緑)にいくほど省エネ性能に優れた家だということがわかる指標にもなっています。
不動産としての価値を高めるBELSはZEH補助金申請に必須
BELSについてわかりやすく解説してきました。簡単に言うと「どれだけこの家の省エネ性能が優れているか、誰がみてもわかるように表示するために評価する制度」がBELSです。
省エネ性能が高い家には、相応の建築資材・技術が求められるもの。必然的に建築コストも嵩みます。「地球に優しく財布にも優しいなら、省エネ性能の優れた家に住みたいけど…」という方はSDGsの影響もあって増えているな、と実感できる今。
お得に性能の優れた家を建てるなら、BELSを利用したほうが良い、ということもおわかりいただけたのではないでしょうか。
とはいえ、ZEH住宅などの基準は一般の方なら見たことも、聞いたこともないような数字・データが乱立しています。また、ZEHなどの家を建てるには、使うべき建材や構造面での配慮も必要なため、間取りに制限が加わるケースも。
「もう何がなんだかわからない!!」
となってしまう前に、お気軽にご相談頂ければ、プロとしてできる限りわかりやすく、どのような家を建てると良いか、どんな家が建てられるのかお伝えします。
ぜひご相談くださいね。