ローコスト住宅で後悔しないために【安い理由・坪単価相場・知っておきたいデメリットなど】
ローコスト住宅を建築した人の中には、住宅設備面・間取り面・生活面などで後悔を抱えていらっしゃる方はいます。
家を建てるには数千万円からというお金がかかりますが、一生に稼げるお金には、限りがあるのが現実。注文住宅というとフルオーダーで自由度の高い設計ができる、というものですがローコスト住宅は注文住宅とはいえ、色々な制限がかかってしまうのも仕方のないところです。
『ローコスト住宅でも、大丈夫なんじゃないかな?』と気軽に考えすぎてしまうと、『こんなはずじゃなかった…』と一生ものの買い物で悲しい後悔を抱えてしまうことにもなりかねません。
そんな悲しい気持ちにならないためにも、『安く家を建てられる』ということが最大の武器となる、ローコスト住宅メーカーで家を建てた方がどのような後悔談を抱えているのか見てみましょう。
ここでは、ローコスト住宅メーカーで後悔しない人の特徴・ローコスト住宅を選ぶ際に抑えておくべき4つのポイントもまとめています。ローコスト住宅を提供しているハウスメーカー各社の坪単価相場・特長と併せ、どのようにしてローコストを実現しているのかについてもまとめましたので参考にしてください。
⇒ローコスト住宅を含めて新築検討中
⇒ローコスト住宅でもいいかなと思っているが二の足を踏んでいる
◆この記事を読むと分かること
⇒ローコスト住宅を実現するためにされている企業の工夫
⇒ローコスト住宅を建てても後悔しないか判断できる
ローコスト住宅とは|代表的なローコスト住宅メーカーの坪単価相場と特長
この記事のもくじ
ローコスト住宅を選んだことを後悔してしまわないために、まずはローコスト住宅とはどのようなものか知っておきましょう。あわせて、ローコスト住宅を手掛けるメーカーも多くなってきていますから、代表的なメーカーの坪単価相場、それぞれの特徴もご紹介します。
ローコスト住宅とは
ローコスト住宅とは「一般的な相場より安く建つ家」と認識されていますが、注文住宅建築時は坪単価の違いに要注意!|失敗しない業者選びのコツ【業者・エリア・構造別坪単価相場】でもお伝えしているように、坪単価は業者によって含む費用も計算方法も違います。また、「ローコスト」と感じる基準も見る人により異なるため、明確に「いくらだからローコスト」といった定義はありません。
ローコスト住宅をウリとしているハウスメーカーでは、様々な企業努力を重ねローコストを実現しています。例えば、人件費のムダを削減するため、打合せの効率化や、建築に必要な物品を大量生産し規格型住宅として提供するなども行っています。
坪単価だけで判断したり、「ローコストだから」ということで飛びついてしまうと、思わぬ後悔に繋がったり、基本プランから大きく外れてしまうことで想定外の出費が嵩むといったことも考えられます。
これからご紹介する、代表的なローコスト住宅メーカーの坪単価相場、知恵袋やブログでローコスト住宅を選んだ後悔事例・失敗談をぶっちゃけている方の声も続けて紹介していますので、あわせてチェックしてくださいね。
ローコスト住宅メーカーの坪単価相場
、ローコスト住宅として有名なハウスメーカー各社の、坪単価の相場と特長・どのようにローコストを実現しているのかを見てみましょう。ここで紹介しているメーカーは異なりますが、「打合せは5回まで」や、「〇回目以降の打合せは有料です」といったハウスメーカーもあるので、打合せ回数の制限についても記載しています。
メーカー | 坪単価相場 | 住宅の特徴 | 間取り制限 | 打合せ回数制限 | ローコストの工夫やポイント |
---|---|---|---|---|---|
タマホーム | 40-45万円 | 自由設計、標準仕様が充実 | 間取り制限なし | なし | 部材の大量一括仕入れ シンプルな間取り設計でコストダウン 効率的な打合せで工期短縮 |
アキュラホーム | 45-50万円 | 多彩なラインナップ、自由設計 | 2階建てが基本で特異な間取りはNG | なし | 工場生産によるコスト削減 パネル工法で現場作業効率化 |
アイダ設計 | 45-50万円 | 豊富な間取りとプラン | ローコストは企画プランが基本 | なし | 自社施工で中間マージン削減 企画住宅大量生産でコスト削減 |
センチュリーホーム | 45-55万円 | 高耐震設計、自由設計 | 規格プラン優先だが一部カスタマイズ可能 | なし | プレカット工法による工期短縮 設備の一括仕入れ |
ヤマダホームズ | 50-55万円 | 多様なデザインと仕様 | 標準仕様の範囲内が基本 | なし | パネル工法による効率化 標準仕様の充実 |
ローコスト住宅のぶっちゃけ後悔事例と失敗談
ローコスト住宅を建てて、どのような後悔・失敗例があるのか知恵袋・ブログなどでピックアップしまとめました。ローコスト住宅建築時に、検討すべきポイントとして参考にチェックしてください。
アフターメンテナンス・打合せなど | アフターサービスの期間が短く、不具合が見つかったときに追加費用がかかった |
---|---|
打ち合わせと違う工事が行われた箇所があった | |
施工面 | 外壁・内装の仕上がりが雑に感じられる部分がある |
準防火地域に土地を購入したが、防火仕様の窓・サッシで予想外の出費になった | |
間取り面 | 和室に段差をつけることができず、収納スペースが足りないと感じている |
予算の都合で子ども部屋を作らなかったため、子どもが成長するにつれて不便を感じた | |
思った以上に間取りの自由度が低かった | |
間仕切りが少なく、家全体に音が響きやすい。 | |
リビング階段に扉がなく、冷暖房効率が悪いのが気になる | |
洗面所やキッチンが狭すぎて使いにくく家事動線が悪いのが毎日ストレス | |
設備面 | 追加費用にならないようコンセントの数を最小限にしたため、延長コードが多くなり不便だった |
安価な外壁材を使用しているため、3年ほどでカビや汚れが目立つようになった | |
譲れない設備をグレードアップしたが、思いのほか高くついた | |
ビニールクロスやグレードアップしなかった浴槽は時間の経過でと劣化が目立つ | |
早い時期にメンテナンスが必要になり、結果的に費用がかさんだ | |
生活面 | 断熱性能も標準的で省エネ性能のない電気製品なこともあり、光熱費が嵩む |
耐震等級が低く、地震に対する耐久性が不十分で不安を感じてしまう | |
予想していた以上に冬は寒く、夏は暑い |
間取りの自由度が低い、というのは上でご紹介したローコスト住宅メーカーが、ローコスト住宅を提供するために工夫している部分でもあるので、致し方ない部分も多くあります。
後悔例・失敗談をみて「うちは問題ないな」と感じられたのなら、ローコスト住宅メーカーで建築しても、特段不便に感じることはないでしょう。続けて解説する、ローコスト住宅を建てても後悔に繋がりにくい方の特徴と併せてご覧ください。
ローコスト住宅の6つのデメリット
ローコスト住宅を建築したことで後悔してしまう前に、知っておくべきデメリットについて触れておきます。ローコスト住宅を建てた場合のデメリットは、以下です。
- 希望のデザイン・間取りが実現できない可能性がある
- 希望する設備に対応していない場合がある
- 標準設備にない設備を追加する場合のコストが高くなる
- アフターフォローが不十分な場合もある
- メンテナンス頻度が増えコストがかかる場合もある
- 生活コストが省エネ住宅と比べて高くなる
①②に関して、ローコスト住宅を安く建てられるのは、「標準的な設備・仕様で建てることで建築コストを抑えている」とお伝えしました。そのため、標準設備以外のオーダーには対応していないメーカーもあります。これは標準設備で建築することで、建材を一括購入したり、同じように建てられる家であるからこそ、施工時の人件費・コストを抑えられるという事情があるためです。
③は標準設備ではないものを追加するとなると、別途建材や設備の購入が必要になり、そのコストが嵩んでしまうことが原因です。追加しようとしている設備を標準仕様としているメーカーで対応する場合と異なり、仕入れ価格も高くなってしまう場合もあるため、高くなってしまうのです。
④のアフターフォローに関しては、ローコストで建築するためアフターフォローも保証期間を短くしたり、保証範囲を制限しているケースもあります。また⑤に関して、コストを抑えて施工するため建材・設備をランクダウンしたりといったことも必要な場合もあり、その分メンテナンス頻度が高くなったり、コストがかかってしまう可能性も考えられます。特に品質がメンテナンス頻度に大きく影響する水回り、木材を使用した部分、などはメンテナンス性について確認しておく必要があります。
⑥に関しては、省エネ基準での新築には相応の建材・設備が必要で一般的な住宅との比較でも200~300万円ほどコストがかかるもの。その分毎月の生活コストである光熱費が抑えられる、という恩恵が受けられます。ですが、ローコスト住宅で省エネ基準を実現することは難しく、その分生活コストがかかってしまうのは致し方ないとも言えるポイントです。
こうしたデメリットがあることを踏まえ、ローコスト住宅とした場合にご自身とご家族にとって、デメリットが気になるものかどうかを検討した上で、ローコスト住宅を建築していただくと想定外の後悔を避けられるでしょう。
後悔なくローコスト住宅を選ぶ場合の4つのポイント
ローコスト住宅を選ぶことがご自身・ご家族にとってそれほどデメリットとはならない、と判断できたなら後悔なくローコスト住宅を選択するために注意していただきたいポイントもチェックしておいて下さい。
ポイントを抑えてローコスト住宅を選んでいただくことで、後悔なく満足のいく家選びを実現していただけるはずです。以下にポイントをまとめましたのでご覧ください。
- 予算内のローコスト住宅メーカーを複数ピックアップし比較する
- そのメーカーが建築したオープンハウスなどを積極的に見に行く
- 希望の設備・間取りに対応できるか・費用も含めた見積もりをとる
- アフターフォロー・メンテンナンス性について確認する
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
①予算内のローコスト住宅メーカーを複数ピックアップし比較する
ローコスト住宅メーカーも、それぞれに特徴があります。各社それぞれに、ローコストで建築するためのポイントも違いますから、複数社を比較検討することは必須です。
その際、どのような家が予算内で建てられるのか、使用している設備はどのようなものなのか、などそれぞれのメーカーで建てているのがどのような家か確認しましょう。
②そのメーカーが建築したオープンハウスなどを積極的に見に行く
実際に建てられた家が確認できるメーカーであれば、積極的に確認しに行きましょう。
ホームページなどで見るよりも、実際の現物をみることで気付くことも多いはずです。標準設備で設置される設備はどんなものか、デザインや、断熱性能など感じ取れることは多いので、面倒に感じてしまうポイントですがしっかり見ていただくことをおススメします。
希望の設備・間取りに対応できるか・費用も含めた見積もりをとる
標準設備だけでは…という場合には、希望する設備や間取り、デザインに対応できるかとあわせて、対応した場合の追加費用も含めた見積もりをとりましょう。
また、見積もりは1社だけでは不十分です。できれば最低でも3社、2社ととって「他社でも見積もりを取って検討している」ことも伝えて下さい。そうすることで、無駄なコストをより抑える効果が得られる場合もあります。
アフターフォロー・メンテンナンス性について確認する
アフターフォローの内容、メンテナンス性については、各社の見積もり内容と含めて検討していただきたい項目です。
どんなに手をかけて建築した家でも、住み始めて数か月は想定外のトラブルがあったりすることはあります。そうした時にきちんと対応してもらえるのか、確認しておきましょう。
あわせてその家のメンテナンス性についても事前確認要です。特に劣化しやすい水回り、フローリング、壁、外壁、屋根、についてどのくらいの頻度でメンテナンスが必要なのか、またメンテナンス前の点検などにも対応しているのか確認しておきましょう。
ローコスト住宅で後悔しないのはこんな人
後悔例・失敗談に続き、ローコスト住宅を建てても後悔には繋がりにくい人の特長も見ておきましょう。
- 子どもが巣立ち、夫婦2人でちょうどよい家を持ちたい
- 家にあまりお金をかけたくない
- 間取りや家のデザインにこだわりがない
- 必要最低限の設備があれば不便に感じず過ごせる
- 家族構成も固まり基本プランをみて十分だと感じている
- 豪雪地帯など寒暖差の激しい地域に住まない
- 将来的に実家を継ぐのでそれまでのしのぎに家を建てたい
- 投資用物件として家を建てたい
また将来的に、実家を継ぐのでその後は賃貸に出したい、売りに出したい、といった場合も、フルオーダーで注文住宅を建てるの非現実的。とはいえ賃貸では資産にもならないし、ということでローコスト住宅を建築するパターンもあります。
ライフスタイル、家に対する考え方など踏まえて家にどれだけお金をかけるか、と考えていくと後悔なく家を建てやすくなりますね。
ローコスト住宅が安い理由
ローコスト住宅メーカーがどのようにしてローコストで住宅を提供しているのか、その工夫を知っておくことで後悔なく家を建てる事にもつながるのではないでしょうか。ご自身が家を建てる理由・どんな家に住みたいか、ということと合わせ、「どうやってローコストを実現しているのか」も把握してプランニングすると、後の後悔を避けられるはずです!
- シンプルな間取りプランで提供
- 施工・プランニングが効率的にすむ標準プランの推奨
- 規格化した工法での施工期間の短縮と効率化
- 間取りの自由度を下げ施工・打合せの効率化
- 打合せの効率化
- 一部施工の内製化でマージン削減
- 建築に必要なものを一括大量仕入れで原価抑制
人的リソース・施工の効率化を最大限に引き上げることも、ローコストを実現するには欠かせない要素であるため、それぞれの家庭にあわせた細かいオーダーとなると、対応できなかったり、追加料金が発生してしまうのも致し方ないでしょう。
ローコスト住宅では後悔しないために失敗談・業者選びのポイントを押さえておこう
ローコスト住宅には様々な工夫がなされ、最大限効率化されていることで施工期間も短いこともメリットの1つ。
ただ、ここまでお伝えしてきた情報をご覧いただき、『私たちには合わないかも』『後悔してしまいそう・・・』と感じられる箇所が1つでもあったのなら。
人生最大のお買い物ですから一度足を止めて考えてみてください。ローコスト住宅だからこそ、フルオーダーで建築した場合に同じ設備を選ぶより、追加料金が高くついてしまうこともあるのです。
また、『思っていたより手ごろな価格で注文住宅を建築できるんだ!』と感じられる工務店やハウスメーカーもきっとあります。
みなさんの夢のマイホーム実現に、余計な曇りは不要です!迷いがあるなら是非一度、皆さんの理想とするマイホームプランをお聞かせいただき、できる限り予算に納めて実現できる道を探っていきましょう。