屋根裏収納は後付けできる?危ない?~トラブル回避の業者選びのポイントとお金の話~
「物が増えたし、収納スペースを増やしたい」
このような時、居住スペースを圧迫することなく、収納スペースを拡張できるのが屋根裏収納の後付けという方法ですよね。
とはいえ、その下のスペースで生活するわけですから、危険はないのか、気になる方もいらっしゃるはず。また屋根裏収納を増やすことで税金が増えてしまうのでは?と懸念される方も多いです。
屋根裏収納は後付けもできますが、これからお伝えするような後悔・失敗事例もあるため、業者選びとプランニングが重要になります。
どんな点に注意して屋根裏収納の後付けを実現すればよいか、そのポイントをお伝えします。あわせて、屋根裏収納を後付けできないケース、税金支払額を増やさずに屋根裏収納を増設するために知っておくべき基準などもわかりやすく解説しますので、是非最後までお目通しください。
⇒屋根裏収納を後付けしたい
⇒収納スペースを拡張したい
◆この記事を読むと分かること
⇒屋根裏収納の後付け業者の選び方
⇒屋根裏収納で後付けで後悔しないためのコツ
屋根裏収納は後付けできる?危ない?|気になる疑問を解決
この記事のもくじ
屋根裏収納は後付けもできます。また後付けだから危ない、ということもありません。ただし屋根裏収納として認められない場合、居室とみなされてしまいます。
続けて、屋根裏収納を後付けするにあたって気になるポイントを見ていきましょう。
屋根裏収納のリフォーム内容次第で固定資産税がかかる
屋根裏収納のリフォーム内容次第では、固定資産税がかかります。
固定資産税がかかるようなリフォームとなると、床面積が増える(=屋根裏収納ではなく居室を増やしたと判断される)ことになります。その場合「増築」の扱いとなるため、建築確認申請も必要です。
屋根裏収納として認められる範囲での施工であれば、増築扱いにもならず、建築確認申請も必要ありません。
屋根裏収納を後付けしたことで容積率・建蔽率などに影響がでることもある
屋根裏収納の床面積が下の階の1/2以上の面積になったり、天井高が1.4mを超える場合、物置ではなく居室とみなされるため容積率・建蔽率・延べ床面積にも影響します。
屋根裏収納を後付けする前の建蔽率・容積率が土地それぞれに定められた基準のギリギリだった場合、基準オーバーとなり違法建築となってしまうので注意してください。
屋根裏収納を後付けするなら換気対策は必須?
屋根裏収納を後付けするなら、なんらかの換気対策はしていただきたいのが本音です。
もともと屋根裏は屋根と天井の間にスペースを作り、部屋の中へ熱・音が伝わらないように設けた空間です。ここに屋根裏収納を設けるわけですから、熱がしっかり伝わってくる場所に収納を作ることになります。湿気もこもります。
ですから、24時間換気や換気扇を必ずつけて!とまでは申し上げませんが、換気口や窓を設置すると、収納したものが熱や湿気で劣化・損傷・変形することを避けられます。
屋根裏収納を後付けする場合に知っておくべき基準
屋根裏収納は基準を守ると固定資産税がかからないスペースとして作ることができます。基準は自治体によって定められますが、愛知県では小屋裏物置等の取扱いで決められていて、一般的な他県の基準と大きく違いはありません。仮に基準を超えるものを作ってしまうと居室と認められ固定資産税がかかりますが、違法建築となりペナルティが課せられてしまいます。
屋根裏収納を設けるにあたり、固定資産税がかからない、違法建築にならないために守るべき基準は別記事:屋根裏収納で後悔しないために|失敗事例・後悔しないプランニングのコツで詳しく解説しています。
屋根裏収納を基準を守り後付けするに天井高・床面積を守ることと、窓の大きさなどにも制限があるので事前に確認しておきましょう。
屋根裏収納の後付け工事の流れと工期
あくまで屋根裏収納としての工事であれば、工期は1週間から10日ほどで終わります。屋根裏部屋として内装も整える場合には、2~3週間ほかかると見込んでおくと良いでしょう。
屋根裏収納を後付け施工する際の工事の流れは、業者により手順に前後はありますが、一般的には以下のような流れで行います。
- 天井に開口(出入口)を作る
- 工事用の梯子を設置
- 天井裏に床を貼り補強する
- (行う場合)壁や屋根の断熱工事
- 出入り用の階段・梯子の設置
屋根裏収納を後付けできないケース
以下に該当するお宅には、屋根裏収納を後付け施工できません。
- 屋根裏スペースが狭く人が出入りできない
- 屋根に勾配がない
- 天井がそもそもない(ログハウスなど)
- 外観や屋根の形状が特殊
屋根裏収納の後付け費用相場
屋根裏収納を後付けする場合の費用相場を見てみましょう。以下は一般的な大きさとされる6畳程度を目安とした相場です。
最低限の後付け施工をした場合 | 30~40万円 | |
---|---|---|
オプション | 固定階段設置 | 10~18万円 |
照明・コンセント設置 | 5~6万円 | |
手すり設置 | 3~5万円 | |
窓設置 | 4~6万円 | |
換気扇設置 | 2~6万円 | |
24時間換気システム設置 | 8~10万円 | |
断熱:充填断熱工法 | 15万円前後 | |
断熱:断熱材+防湿シート | 25万円前後 |
屋根裏収納の後付けで固定資産税がかかるケース
屋根裏収納を後付けして固定資産税がかかってしまうのは、以下のケースです。
- 既存の小屋裏収納・ロフトがあり新設すると基準面積を超えてしまう
- 新設しようとしている屋根裏収納が基準から外れている
- 設備の充実により物置として認められなかった
屋根裏収納として認められる基準値を思いがけずオーバーしてしまった、となると固定資産税がかかります。また、基準を超えたことで居室と認められれば、延べ床面積・容積率・建蔽率にも計上されることに。
これにより違法建築となってしまうと、建築主(施主)も、工事を請け負う業者にも罰則が課せられることになります。当然、リフォームを請け負う際にそうした工事にならないか確認することは、建築に携わるものとしては当たり前のことなのですが、この部分をあやふやにしようとする業者であれば、依頼は避けることをおすすめします。
既存の屋根裏収納を後付けで拡張することもできる
新しく屋根裏収納を作るだけでなく、すでにある屋根裏を拡張(増し床といいます)することもできます。
3畳程度拡張する場合は12万円ほど、6畳程度の拡張では18万円ほどが相場です。
屋根裏収納の後付け後悔・失敗事例
屋根裏収納の後付けが後悔に繋がってしまった事例、失敗してしまった事例を知っておくと、思いがけないトラブルを避けられます。業者選びのポイントにも繋がりますからチェックしておきましょう。
リフォーム工事で構造にダメージが発生してしまった
できるだけ安く仕上げて欲しい、ということでリフォーム費用を優先事項として業者選びをしたことで、施工技術が低い業者にあたってしまいトラブルとなった事例です。
構造にダメージを受けたことで、この事例では壁に亀裂が入る等のトラブルも被っています。構造にダメージがあるということは、雨漏りしたり、害虫・害獣の侵入による被害が出たりということも考えられます。
また、雨漏りした水が電気線に触れることで漏電・火災といった被害も考えられるため、注意しなくてはなりません。
見積もり以上の請求額と思いがけない追加工事で予算オーバー
「屋根裏工事は追加料金は避けられない」という言葉を聞いた方は多いかもしれませんが、優良な業者なら、事前の現地確認による見積もりでよほどのことが無い限り追加料金は発生しません。
ですが、実際に見積もりで聞いていた値段より大幅に高い料金を請求され、工事を初めてから追加工事が必要だと言われてしまったことで予算を大幅に超えた、という事例もあります。
工事を初めてから追加で工事しないといけない、と言われてしまうと施主さんとしても「危ないなら工事するしかないか…」と受け入れざるを得ない心境になることもあると考えます。とはいえ、こうしたトラブルを避けるためには、しっかりと現地で細かな調査も行ってから見積もりをお出しすることが重要だ、と当社では考えています。
作ってはみたが使いにくい形状であまり活用できていない
屋根裏収納を作ってみたものの、「実際に使い始めた時のシミュレーションをしていなかった」ことが失敗に繋がったという声も多々あります。
どんなものを収納するのか、どれだけ収納したいのか、屋根裏収納内での配置の仕方など考えておくことが重要です。この事例のような後悔を避けるためには、実際に使い始めてからのシミュレーションを業者と共有しながら行っていくと良いでしょう。
断熱・換気をしておけばよかったと後悔している
屋根裏は先にもお伝えしたように熱がこもりやすいスペースですから、断熱・換気の対策をせずには収納としても使いづらく感じてしまう場所です。
「費用カットのつもりで軽く考えていたけれど、やっぱりお金をかけて作った場所なのだから、断熱や換気の対策もしておけばよかった」と後悔される方が多いことも、考慮にいれていただくことを強くおすすめします。
通気口を設置したほうが良いことを知らされず施工したらカビが生えてしまった
暖かい空気は上に上る性質があるため、湿気を含む暖かい空気が屋根裏にたまるとカビが発生します。特に冬場は暖かい空気が屋根裏で冷え、結露が発生してカビに繋がるケースもあります。
窓があったり、通気口や換気扇など、換気対策がされていればこうした事態は避けられます。我が家も通気口と窓を設置しただけですが、カビが生えたことはありません。
屋根裏収納の後付けリフォーム業者選びのポイント
屋根裏収納の後付けリフォームで後悔・失敗しないための業者選びのポイントは以下です。
- 実績・クチコミを確認
- 建築士・リフォーム関連の資格の有無を確認
- 保証やアフターサービスを確認
- 複数の業者から見積もりを取る
- 施工内容は詳細に説明してもらう
契約書を詳細に確認することも重要ですが、上でご紹介したポイントを踏まえて業者選びをしていただくと、納得の屋根裏収納の後付けが可能です。
①~③のポイントに沿って気になる業者を2,3社ピックアップしたら、④相見積もりを取得してそれぞれの業者の費用・費用に含まれる工事内容をしっかり比較検討しましょう。比較検討しつつ、見積もりに対して、どのように工事を行うのか、どのような工事を行うのか詳細の説明をしてもらってください。ここをおろそかにしたり、簡易的に済まそうとするのであれば、大事な家を任せられる業者ではないかもしれません。
また見積もりは追加工事にならないよう、詳細な現場確認をしたうえでの見積もりなのか、といったところも確認してください。事前にしっかり確認しておくことで、「違う業者にしておけばよかった」という事態は避けられます。
屋根裏収納の後付けはできるが基準オーバー・業者選びで後悔を避けよう
屋根裏収納の後付けはできますが、基準値をオーバーしてしまったことで固定資産税がかかってしまう、違法建築になり罰則を受ける可能性があることはお伝えした通りです。
また業者選びで失敗したり、事前のシミュレーションが不足しているとせっかくのリフォームが後悔に繋がりかねません。
こちらでお伝えした業者選びのポイント、また後悔事例を参考に業者選び・プランニングしていただければ、安心して快適に使える屋根裏収納が実現するはずです。みなさんが今以上にお家に愛着を持ち、「この家にしてよかった!」と感じていただける一助となれれば、幸いです。