小上がり和室は3畳がちょうど良い?その理由を解説します。

最近、リビングの一角に「小上がり和室」を設ける住宅が増えています。でも実際、「何畳くらいがちょうどいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。個人的には3畳程度のサイズが、限られたスペースでも取り入れやすく、程よい広さとして良いと思っています。しかし、「3畳って狭くない?」「本当に使いやすいの?」といった疑問も頂戴します。
この記事では、そんな3畳小上がり和室の実際の使い心地やメリット・デメリットを詳しく解説します。これからマイホームを検討する方、小上がり和室の設計で迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
小上がり和室とは?
この記事のもくじ

小上がり和室の基本的な特徴
・床を上げた和室の魅力
小上がり和室とは、リビングやダイニングなどのフラットな空間の一部を一段高く設計した和室のことです。通常の畳スペースと異なり、高さ(段差)を設けることで空間に立体感や奥行きを生み出します。この段差があることで、家族との視線がそろったり、空間にメリハリも出て面白みのある空間が完成します。
・収納スペースとして活用
小上がり和室の大きな魅力のひとつが床下収納です。段差の下を活用することで、引き出し式の収納スペースを確保できるため、リビング周りの細々としたものや季節用品、子どものおもちゃなどをしまうことができます。特に収納量が不足しがちな場合では収納力アップとしても役立ちます。
・リビングと一体化したデザイン
小上がり和室はリビングと隣接して設けることで、リビングの延長として使えるのが特徴です。わざわざ別室を設けずに「くつろぎスペース」「お昼寝スペース」「客間」として多目的に使えます。段差が空間を自然に区切るため、仕切りなしでも独立性を持たせることができ、開放感を損ないません。しきりたい場合も考慮してロールカーテンでも対応できたりします。もちろん建具を装備しても良いと思います。
小上がり和室を取り入れるメリット
・空間の有効活用
例えばリビングの一角などデッドスペースになりやすい場所も、小上がり和室を作ることで座れる、使える空間として活かせます。段差による段上・段下の活用がポイントです。
・多目的な使い方
小上がり和室は「和室」としての利用だけに限らず、お昼寝、遊び場、勉強スペース、ワークスペースなど、家族のライフスタイルに合わせて柔軟に活用できます。急な来客時にも「ちょっと座ってもらう場所」「泊まれる場所」として便利です。
・アクセントとしてのデザイン性
和モダンな住宅はもちろん、ナチュラル、シンプルモダン、北欧風など多様なインテリアスタイルにもマッチします。また、段差があるだけで空間に表情が生まれるため、内装デザインとしても非常に人気です。
小上がり和室3畳の広さと魅力

3畳は狭い?ちょうどいい?
・実際の広さ感と使い方
「3畳」と聞くと、「ちょっと狭いのでは?」と感じる方も多いかもしれません。しかし実際のところ、3畳(約4.9㎡)は大人2~3人がくつろげる広さです。畳に座る、日本ならではのライフスタイルを前提にすれば無駄のないコンパクトな和室として十分活用できます。また、子どもと一緒に遊んだり、昼寝をしたりするのにもちょうど良いサイズです。フローリングで寝転ぶと体が痛くなりますからね。。。
・寝室・客間として活用可能?
一見コンパクトな3畳ですが、一人用の布団を敷くスペースとしては十分です。そのため、「急な来客が泊まる時の簡易客間」としても活用できます。また、お子さんの昼寝や、風邪を引いた家族の一時的な寝室としても便利です。完全な寝室としての利用にはやや狭いですが、補助的なスペースとしては優秀です。
・子どもスペースとしても十分?
3畳は子どもの遊び場としてもちょうど良い広さです。リビングと隣接しているため、子どもが遊んでいる様子を親が見守ることもできます。また、畳ならではの柔らかさがあるため、転倒時の安全性も確保できます。ここでの注意点はあまり上げすぎない事。床から35cm~40cm程度がベンチ代わりにもなりますし良いかと。
3畳を選ぶ際の注意点

・家具配置の工夫
3畳の小上がり和室では、家具を最小限に抑えるのがポイントです。テーブルを置く場合も折りたたみやコンパクトサイズを選ぶか、固定式のカウンターを壁際に設置しておくのもベンチです。こうする事で空間を圧迫せずに使えます。また、座布団やロータイプの座椅子を選べば、畳の上の自由度を活かせます。
・通路や動線を考えた設計
小上がり和室がリビングの一角に設けられる場合、リビングとの動線やアクセスが重要です。例えば「リビングの真ん中」に配置すると動線が分断される可能性も。設計時には、リビングの隅や壁際など、動線を邪魔しない位置を意識しましょう。
・段差による安全性の確認
段差をつけることでおしゃれになる一方で、つまづきや転落のリスクも考える必要があります。特に小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、段差の高さを35~40cm程度に抑える、コーナー部分に丸みをつけるなどの工夫が求められます。高さがあまりにも低いと下部を収納とし使う場合使いにくくなりますし、その分収納力も低下していまいます。
3畳小上がり和室の活用アイデア

家族のくつろぎスペースに
・お昼寝や読書スペース
3畳の小上がり和室は、家族の誰もが自由に使える「リビングの中の小さな居場所」になります。特に注目したいのは、畳の持つリラックス効果。フローリングでは味わえない、畳特有のやさしい肌触りや香りが日常の中に癒しをもたらしてくれます。
例えば、ちょっと横になって昼寝をしたり、コーヒーを片手に本を読んだりと、忙しい日常の中でも一息つける場所として活躍します。わざわざ別室に移動しなくても、リビングにいながら静かに過ごせる空間として重宝するでしょう。
・テレビ前の特等席に
また、小上がり和室をリビングのテレビ前に配置することで、映画やスポーツ観戦をする時の特等席にもなります。ソファとは違った視点からテレビを見ることができ、家族の中で「ここがいい!」と取り合いになることも。段差があることで他の家具に邪魔されず視界が抜けるため、意外と「テレビが見やすい」場所でもあります。
子どもたちがゲームをしたり、大人が映画鑑賞を楽しんだりと多用途に活用できる贅沢なスペースになります。
来客用の簡易的な客間に
・布団を敷いてゲストルーム
コンパクトな3畳でも、一人分の布団を敷くスペースとしては十分。親戚や友人など、急な来客にも柔軟に対応できます。リビング横にあることで、深夜に来ても簡単に対応できるのがメリットです。
最近では家に和室がない間取りも増えていますが、3畳の小上がりがあれば、必要な時だけサッと布団を敷いて臨時のゲストルームとして活用可能。日常では別の用途としても使えるので無駄がありません。下部の収納に布団をしまっておくと便利です。
・おもてなし空間として
来客時には、気軽に座ってもらえる応接スペースにもなります。リビングのソファが満席でも、小上がりに座布団や座椅子を置いて「どうぞ」と案内できるので安心。
また、段差があることで自然と視線が分かれ、プライベート空間と来客用空間が柔らかく分けられるのも魅力の一つ。友人同士のおしゃべりの場や、お子さんの友達が遊びに来たときの休憩場所としても便利です。
子どもの遊び場・学習スペース

・おもちゃ収納も兼ねた活用
子どもの遊び場として活用する場合、特に便利なのが床下収納です。おもちゃや絵本、ブロックなどを収納しておけば、遊び終わった後にその場で片付けられるのでリビングが散らからずスッキリ。
小上がりならではの囲まれ感もあり、秘密基地のような空間としても楽しく使えます。リビングの一角にあるので親の目も届きやすく、安心して遊ばせられるのもポイントです。
・宿題や読書の集中スペース
最近では「リビング学習」が一般的になりつつありますが、ダイニングテーブルやソファでは気が散ってしまうという悩みも多いですよね。そんな時に役立つのが3畳の小上がり和室。
段差があることで自然に囲まれ感が生まれ、集中しやすい環境になります。畳の上に座布団と小さな机を置けば、子どもが落ち着いて宿題や読書に取り組める専用スペースが簡単に完成します。
また、親がリビングにいる間に子どもが学習することで程よい距離感を保ちつつ見守れるのも安心材料です。
まとめ:3畳だからこその「ちょうどいい」空間
このように、3畳という限られた広さでも使い方次第で多彩な用途に対応できるのが小上がり和室の魅力です。家族のライフスタイルや子どもの成長に合わせて、時には遊び場、時には客間、時には癒しの場として活用できる柔軟性があります。
また、普段は収納付きベンチのように活用し、必要な時だけ広げて使うなど、空間を無駄にしない工夫もできます。コンパクトでも存在感のある3畳の小上がり和室、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
小上がり和室の設計ポイントと費用相場

設計時の重要ポイント
・天井高と段差のバランス
小上がり和室を設ける際にまず考えたいのが、天井高とのバランスです。小上がりを設置する場合、通常の床より35 cm〜40cmほど高くすることが一般的ですが、その分天井が低くなるため圧迫感が出ないよう配慮が必要です。
例えば、天井高(220cm)の家なら、小上がり部分の天井高は185cm程度になります。この高さでも問題ありませんが、設計段階で「窮屈に感じないか」を確認しておきましょう。特に男性のいる家庭では圧迫感に敏感な場合もあるので注意です。
・照明や窓配置の工夫
段差があることで天井との距離が近づくため、低めのペンダントライトや、置型照明がおすすめです。また、昼間も明るく過ごせるよう小上がり部分に向けた窓の配置も考えると快適な空間に。
小さな空間だからこそ、光や照明の工夫で圧迫感を軽減することが重要です。
・段差を利用した収納設計
段差がある分、下部収納はぜひ取り入れたい要素です。収納の種類としては、引き出しタイプが一般的で、衣類やおもちゃ、生活用品などを収納できます。高さ35 cm〜40cmの段差があれば、深さ20 cm~30cmほどの引き出し収納が可能で、リビング収納の補助としても優秀です。
また、前後連結型収納を設ける例もあり、大きめの荷物も入れられます。
小上がり和室にかかる費用相場
・標準的な費用感
小上がり和室を設置する際の費用は、大きさ・仕様によって異なりますが、一般的な相場として20〜40万円程度が目安です。特に3畳サイズの場合は、比較的コストも抑えられやすく、予算を大きく圧迫せずに実現可能なオプションと言えるでしょう。
- 3畳の畳スペース本体費用:15〜30万円
- 床下収納をつけた場合:+5〜15万円
- 照明・コンセント等のオプション:+数万円
合計:約20〜50万円前後
・コストを抑える工夫
費用を抑えるための方法もいくつかあります。例えば、
- シンプルな畳仕上げにする(縁なし畳やデザイン畳はコストアップ)
- 収納は引き出し1〜2個に限定する
また、新築時に一緒に依頼することでコストが抑えられることも多いため、早めの計画と相談がポイントです。後付けよりも新築時にまとめて依頼する方が工事の手間や人件費も減るため、結果的にコストパフォーマンスが良くなります。
小上がり和室は必要?不要?判断基準

小上がり和室が向いている家庭
・小さなお子さんがいる家庭
小上がり和室は、子どもが安心して遊べる場所として大変人気です。畳の柔らかさが転倒時の安全対策になるだけでなく、親の目が届きやすいリビングと一体化した遊び場としても活用できます。また、段差があることで「自分だけの場所」と感じる子どもも多く、秘密基地のような感覚で楽しく遊べる空間にもなります。
さらに、お昼寝やおむつ替えのスペースとしても便利なので、子育て世帯にとっては日常的に活躍する空間です。
・来客が多い家庭
親族や友人など来客の機会が多い家庭には、小上がり和室が非常に重宝します。ソファが埋まってしまっても、「どうぞこちらへ」と案内できるセカンドスペースがあるのは大きな安心。また、布団を敷けば臨時の寝室にもできるため、ゲスト対応もスムーズです。
リビングと同じ空間にありながら独立性を持たせられるので、プライベートを守りつつも交流を楽しむことができます。
・限られたスペースを有効活用したい家庭
「リビングがそれほど広くない」「和室を作りたいけど別部屋にする余裕がない」という場合でも、小上がり和室なら限られた空間を最大限に活かせます。特に3畳サイズなら大きすぎず、小さすぎず、ちょうどよい広さで、収納もプラスすれば空間の効率化にも繋がります。
小上がり和室が不要なケース
・バリアフリー重視の家庭
高齢者や足腰に不安がある方がいる家庭では、段差があることでつまづきや転倒のリスクが生じるため注意が必要です。
最近はバリアフリー設計を希望されるご家庭も多く、段差が生活の障害になる可能性がある場合は、小上がり和室の設置を慎重に検討するべきでしょう。特に将来的に介護が必要になることを見越した場合は、段差のないフラットな空間が望ましいこともあります。
・収納を優先したい家庭
小上がり和室の下部収納はとても便利ですが、場合によっては「収納スペースをもっと大きく確保したい」と考えるご家庭もあります。そうした場合には、壁面収納やウォークインクローゼットを優先する方が空間効率が高い場合も。
また、段差の分だけ床面積が制限されるため、「少しでも広くフラットな空間にしたい」という要望が強い方には不向きです。
・スッキリとしたモダンデザイン重視の家庭
最近流行しているシンプルモダンやミニマルデザインを重視する住宅では、段差が空間の流れを阻害する場合もあります。あえてフラットな床面で空間の一体感や広がりを演出したいと考える場合、小上がり和室を取り入れない選択も一つです。
小上がり和室が「必要かどうか」を見極めるポイント

小上がり和室を設けるかどうかは、「家族のライフスタイル」と「将来の見通し」によって判断することが大切です。今は便利に感じても、将来にわたって使い続けられるか、ライフスタイルが変わった時にどう対応できるかを考えましょう。
- 子どもや来客の有無
- 家族の将来像(老後の暮らし、バリアフリー)
- 空間の使い方(収納優先か、多目的スペース優先か)
- デザインやインテリアの方針
- 子どもや来客の有無
- 家族の将来像(老後の暮らし、バリアフリー)
- 空間の使い方(収納優先か、多目的スペース優先か)
- デザインやインテリアの方針
このように事前に整理しておくことで、後悔しない家づくりに繋がります。
小上がり和室のよくある失敗例と対策

・段差が高すぎて使いにくい
小上がりの段差を高くしすぎて、座るときや昇り降りが不便だったという声は非常に多いです。特に高さ40cm以上になると、座る時に「よっこいしょ」と腰をかけなければならず、思ったよりも使いにくいことも。
【対策】
→ 一般的には段差35cm程度がおすすめです。収納量を確保しつつも座りやすく、日常使いしやすい高さになります。設計段階で実際に座った時の高さを体感しておくと良いでしょう。
・段差が危険!子どもや高齢者がつまづく
設置したものの、実際は子どもやお年寄りがつまづいて転ぶリスクがあるという失敗も。特に暗い夜間や急いでいる時に危険です。
【対策】
→ 段差の角を丸く加工する、段差部分に手すり代わりになる腰壁を設置する、床色と段差色を変えて目立たせるといった工夫が効果的です。また、小さな子どもがいるうちは一時的に段差ガード(転落防止柵)を設置するのもおすすめ。
・思ったより使わない
「素敵だと思って設置したのに日常生活ではあまり使わない」という声も少なくありません。特に「客間として作ったが来客がほとんどない」場合や「畳に座る習慣がない」家庭では宝の持ち腐れになってしまうことも。
【対策】
→ 日常使いもできる設計にすることが大切です。例えば、普段は家族のくつろぎスペースとして活用し、来客時だけ客間に切り替えるなど、「普段も使える工夫」を事前に考えましょう。収納付きにしておけば、使わない時も無駄になりにくいです。
・リビングが狭くなってしまった
「憧れで小上がり和室を作ったらリビングが思ったより狭くなってしまった」というのもよくある後悔です。特に間取りに余裕がない場合、3畳のスペースでもリビングの開放感を損ねることがあります。
【対策】
→ 小上がり和室を設ける場合は、全体の間取りとのバランスを慎重に検討することが重要です。リビングの広さが確保できない場合は、段差を付けずフラットな畳コーナーにするという選択肢もあります。設計士やインテリアコーディネーターと相談して「無理のないサイズ感」を見極めましょう。
・掃除やメンテナンスが大変
畳のスペースはダニやホコリ対策が必要で、段差のホコリもたまりやすいという問題があります。収納付きにすると引き出しの掃除も面倒に感じる方も。
【対策】
→ 掃除機がかけやすいよう角を丸く加工する、ロボット掃除機対応の設計にする、畳の取り外しができるタイプを選ぶなどの工夫が有効です。収納も、開き戸より引き出し式のほうが出し入れと掃除が楽です。
◎ 失敗しないためのポイント総まとめ
- 段差の高さは20~40cmまでとする
- 安全対策として段差の角を丸くする
- 日常使いできる用途を決めておく
- 間取り全体のバランスを重視
- 掃除やメンテナンスのしやすさも考慮
こうした対策を意識することで、後悔のない小上がり和室を実現することができます。
Q&A(よくある質問)

Q1. 小上がり和室の段差はどのくらいが適切?
A. 一般的には20〜30cm程度が推奨されます。
段差を高くすると収納スペースが広がるメリットがありますが、座る・昇り降りする動作がしやすい高さを考えると、この範囲がちょうどよいでしょう。40cm以上の段差は大容量収納が可能な反面、座る際に負担を感じる方も多く、慎重な検討が必要です。
Q2. 小上がり和室に床下収納は必須?
A. 必須ではありませんが、非常におすすめです。
床下収納があれば、限られたリビング空間の収納力を大幅にアップできます。
ただし、予算や使い方によっては「収納なし」にしても問題ありません。例えば、あくまでくつろぎや遊び場として使用する場合は、段差だけでも十分アクセントになります。収納を付ける場合は引き出し式が人気で、開閉がしやすく実用的です。
Q3. 小上がり和室の畳の種類や選び方は?
A. 主に「縁あり畳」と「縁なし畳」の2種類があり、用途やデザインに合わせて選びましょう。
- 縁あり畳:伝統的なデザインで落ち着いた雰囲気。コストも比較的抑えられる。
- 縁なし畳:モダンな雰囲気にマッチし、最近人気。サイズ調整もしやすく、デザイン性が高い。
また、カラー畳(グレー、ブラウンなど)を選ぶことで洋風リビングにもなじむデザインにできます。メンテナンス面では、撥水加工畳もおすすめです。
Q4. 3畳だと狭くない?どんな使い方が向いている?
A. 3畳は「座る・寝転ぶ」には十分な広さで、使い方次第で非常に便利です。
具体的には、
- 子どもの遊び場
- 来客時の座るスペース
- お昼寝・読書スペース
- 簡易的な来客用寝室
などがあり、「ちょっとした場所が欲しい」というニーズにぴったりです。
ただし、大人数の来客や大きな家具を置きたい場合は4畳以上が適していることもあるので、ライフスタイルに合わせて検討しましょう。
Q5. 小上がり和室のメンテナンスや掃除は大変?
A. 一般のフローリングよりは気を使いますが、畳部分は日常的な掃除機掛けや、時々の乾拭きで十分清潔を保てます。また、樹脂製畳や撥水畳を選べばダニ・カビの心配も少なく、掃除も簡単。
段差部分はホコリが溜まりやすいので、こまめな拭き掃除が推奨です。収納付きの場合は、引き出しの中まで掃除しやすい設計かどうかも確認するとよいでしょう。
Q6. 将来的に段差が負担になるか不安。対策は?
A. 将来の生活変化を見据えた対策も可能です。
たとえば、
- 段差を低め(20cm)に抑える
- 段差のないフラット畳コーナーへの変更も検討する
- 手すりや腰壁を設けて安全性を高める
といった方法があります。
また、段差が負担になった場合には、後からステップを追加することも可能です。将来の変化に合わせたプランニングを意識することが大切です。
老後における小上がり和室の使い方と注意点

・老後も便利な「多目的な畳スペース」
小上がり和室は、子育て中だけでなく老後の暮らしにも役立つスペースになります。
例えば、足腰が弱くなったときに「ベッドを置かなくても横になれる場所」として使えたり、ちょっとした休憩やストレッチスペースとしても活用できます。畳の柔らかさはフローリングに比べて膝や腰への負担が少ないので、高齢期の生活空間として非常に快適です。
また、わざわざ寝室に行かなくても、日中リビングに近い場所で横になれるため、家族と一緒に過ごしながら休めるのも魅力です。
・段差のデメリットと工夫
一方で、老後になると段差が負担になるケースも考えられます。膝や股関節が弱ってくると、20~30cmの段差もつらく感じることがあるため注意が必要です。
- 段差をできるだけ低く(20cm前後)設計する
→ 高すぎると上り下りが大変なので、収納は小さくなりますが、使いやすさを優先した高さに調整する。 - 段差の横に小さなステップや手すりを設置
→ 立ち座りがスムーズにできるようサポート器具を設ける。市販の「置き型ステップ」などを使えば後からでも対応できます。 - 将来フラットに戻せるような設計を考えておく
→ 最初から「床をフラットに戻せる構造」にしておくと、必要になった時に改修コストを抑えつつ変更可能。
・「和室=布団」派にもぴったり
老後もベッドではなく布団で寝たいという方には、小上がり和室が日中の仮眠スペースや客間兼寝室として非常に便利です。
たとえば「普段はリビングの一角として使い、夜は布団を敷いて寝る」といった使い方ができるため、限られた床面積でも無駄がない暮らしが実現できます。
また、布団の上げ下ろしが楽にできる高さに設計すれば、毎日の布団生活も負担になりにくくなります。
・老後も使いやすい工夫まとめ
課題 | 解決策 |
段差が負担 | 高さを20cm前後に抑える |
立ち座りが不安 | 手すりや補助ステップを設置 |
フラットに戻したい | 可変性を持たせた設計 |
布団生活をしたい | 小上がりを就寝スペースに活用 |
老後にこそ「小上がり和室」が役立つ理由

「子育て期が終わったら使わないのでは?」と思われがちな小上がり和室ですが、実は老後の生活を豊かにする要素がたくさんあります。
- 日中リビングに近い場所で休める
- 来客時も簡単に座ってもらえる
- 畳でのゴロ寝やストレッチ
- 布団を敷いて手軽に寝室代わり
これらの機能が一つにまとまる小上がり和室は、「子どもが巣立った後も、夫婦2人の生活に柔軟に対応できる空間」として大活躍するのです。
もし「将来使わなくなったらどうしよう」と不安な場合は、簡単にフラットに戻せる設計を検討すると、さらに安心です。
まとめ

「リビングの一角にちょっとした和のスペースが欲しい」「限られた空間でも多目的に使える場所が欲しい」——そんな願いを叶えてくれるのが3畳の小上がり和室です。最近では、注文住宅を検討する際に「とりあえずつけておきたい」と考える人が増えており、その柔軟な使い方やデザイン性から注目されています。
3畳というコンパクトな広さでありながら、小上がり和室の魅力は多岐にわたります。例えば、リビングと一体化させれば家族が気軽に集まるくつろぎ空間になり、子どもが遊んだり昼寝をしたりするスペースとしても重宝します。また、来客時には座布団を置けばちょっとした客間になり、必要があれば布団を敷いて簡易寝室としても活用可能です。このように日常と特別なシーンの両方に対応できるのが、小上がり和室の大きな魅力です。
さらに、段差部分を収納として活用できる点も、特に収納が限られがちなリビング空間においては非常に実用的です。普段使わない季節物や子どものおもちゃ、日用品をすっきりとしまうことができ、見た目も美しく整った空間を保てます。
しかしその一方で、実際に採用した人の中には「段差が高すぎて使いにくい」「思ったよりも使う機会が少なかった」といった失敗例もあるのが事実です。特に段差の高さやリビング全体の広さとのバランス、普段の生活スタイルにマッチしているかどうかは慎重に検討すべきポイントです。段差を20~30cm以内に収める、また将来的にフラット化できるよう配慮することで、長く快適に使い続けることが可能になります。
そして見落とされがちですが、小上がり和室は老後の暮らしにも非常に役立つ空間です。ちょっと横になりたいとき、足腰に負担をかけず座って休みたいとき、また家族と過ごしながらくつろぎたいとき——こうした場面で、畳のやわらかさや段差のちょうど良い高さが日常生活の支えになります。つまり、小上がり和室は子育て期から老後まで長く付き合える万能スペースと言えるでしょう。
このように、小上がり和室3畳は「ただのデザイン的な要素」ではなく、家族の成長やライフスタイルの変化に応じて形を変えながら活躍できる実用的な空間です。取り入れる際には、単なる「おしゃれ」で終わらせるのではなく、日々どのように使っていきたいのか、将来どう活用するかまで考えて設計することが後悔しないポイントです。
注文住宅を検討している方、リビングを有効活用したいと考えている方は、ぜひ一度「3畳の小上がり和室」という選択肢を真剣に考えてみてください。きっと、暮らしに新しい価値をもたらしてくれるはずです。
小上がり和室3畳のポイント総まとめ
✔ 家族の多目的スペースとして大活躍
✔ 床下収納でリビング収納力アップ
✔ 来客時の客間や寝室にも早変わり
✔ 子育て期から老後まで柔軟に使える
✔ 設計段階で段差や使い道をしっかり検討するのがカギ
「小さくても豊かな暮らし」を実現できるのが、3畳の小上がり和室です。
あなたの理想の暮らしに合わせた“ちょうどいい”使い方を、ぜひ検討してみてください。